東京の痴漢の思ひ出とニューヨーク痴漢事情2

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菊楽 恵著
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***

東京の満員電車で見知らぬ男性に触られたことは数回ある。
つまり、痴漢に遭ったことがある。
しかし、私の場合は触られるというより、別の種類の痴漢に遭うことが多かった。

初めて痴漢に遭ったのは、忘れもしない東北の寒村から上京して二日目の中央線だった。
10代の私。

ドアの近くに立っていたのだが、ジャンパーを着た男が乗り込んで来た。
そして、いきなり私の手を掴んだ。男は己の股間に私の手を持って行ったのだ。

持っていっただけではない。男は「握れ〜」と私に向かって命令した。
ファースト・キスは経験していたものの男性経験が全く無い処女の私は、男性の股間にあるものを
握ったこともそれこそ見たこともなかった。

躊躇していると、男は「いいから、握れ〜。握るんだぁ〜」とドスを聞かせた声で言ってきたのだ。
パンチパーマにジャンバー。どこから見ても堅気には決して見えない。
「あぁ〜〜っ」と悶えながら、シャツのボダンを外し始めた。
ナイフなどの凶器を出してきたらどうしようと不安になった。

東京さ出でぎで、ごれがら青春だど思っだのに……。
パンチパーマの男(おどご)さ刺されて、死んじまぁ〜のがな。

我が命を守るために、
握るべきか? 握らざるべきか? 

私の手は以前として男の股間にある。
電車が次の駅に停車し、ドアが開いた。目的の駅ではなかったが、男から逃げるべくホームに降りて走った。
「ブスゥ〜」とその男から叫ばれた。

ブスで結構。命はあった。
しかし、初めて触った(注意:握ってはいない)男性の股間(ただしズボンの上からだか)がパンチパーマの痴漢だった。
印象は、湿っている……だった。

今の私ならば、GO-GOボーイにするのと同じように男のパンツにチップを挟み、
「合点だぁ〜!握ったるでぇ〜!おっさん!」と言って玉を握り潰すことができるであろう。

***

それから十数年経ったニューヨーク。

どんなに満員の電車に乗っても、あの嫌な密着感は無いし、触られる心配もないと思って安心していた矢先の出来事。
始発の車両の中で本を読んでいた。通勤時間帯ではなかったので、乗客はまばら。
男が私の前に立った。
座席はたくさん空いている。座ればいいのにと思っていると、何やら気配がして眼を上げると、
男(黒人・20代)がスウエット・パンツに手を入れて上下に動かしている。

男が上下に触っているものは棒状のものだった。

スウエット・パンツの外には出さずに動かし続けている。
多分、男のペニスだと思われるが、長さが50cmはあった。下から上に上から下への移動時間が長かった。

露出狂に遭ったのなら「小ちゃ〜〜い」ってクスってすれば、露出狂は即座に退散する!
と聞いたことを思い出したが、馬並みとはまさにこのこと!「小ちゃ〜〜い」ってクスは効果がないと思われたが、
何よりも長さにびっくりして膠着してしまった。

近くにいた白人女性が気が付いて”Shit! FucK Off”「うげっ!失せやがれ〜」と叫ぶと、
変態男はすごすごと車両を降りていった。

変態男や露出狂の目的は女性が驚いたり、恥ずかしかったりする姿を見て喜ぶ。
まさに私は思う壷にはまってしまったが、彼女のようなキツ〜〜い咄嗟の一言が言えない。
「あっぱれ!亜米利加人女性!」

満員電車の出来事ではないが、地下鉄で変態男に遭遇した。
東京では変態男に遭遇することは日常茶飯事だったが、ニューヨークで初めての変態男で、それ以来、遭遇してない。
ニューヨーク州は銃規制があるので誰でも持ち歩ける訳ではないが、変態男も気軽に変態を楽しむことができないのかもしれない。

人気のない地下鉄に乗る場合は、車掌さんがいる車両に乗るように、その事件以来、心がけている。
我が身は己が守る。無防備だった。
車掌さんは日本と違って後部車両にはいない。真ん中の車両にいる。

***

FucK Off………意味はGo Awayと同じ。あっちに行け〜!失せろ〜。
映画や ケーブルテレビ放映のドラマを観るとよく使われている。

どの国にもいるということを身を持って知りました。

ニューヨーク痴漢事情

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日本のニュースをインターネットで読んでいる。
痴漢行為で逮捕!のニュースがない日はない。

それでは、ニューヨークの地下鉄において痴漢行為で逮捕される男性は毎日いるか?
答えはNO。

***

東京の人口と比べるとニューヨークの方が少ないし、地下鉄の満員率も東京よりは少ない。
しかし、ニューヨークでも朝の通勤電車は鮨詰めにはならないまでも満員になる。

満員の電車だとニューヨーカーは乗車しない。次の電車まで待つ。
それを初めて見た時、驚いた。
東京だったら、何がなんでも乗る。突撃して乗り込む。
しかし、それはニューヨークではない。
遅刻は気にしないのだろうか?と人ごとながら気にする。

満員電車の中、男性も女性も他人に密着しないように気を付けている。
肌と肌を合わせないようにしているのだ。
東京だと満員電車をいいことに、スリスリ擦り寄ってくる男性がいるが、
ニューヨークでは必死に距離感を保とうと努力している。ちょっとでも距離を保とうとするのだ。
挨拶ではハグしてキスする文化の人たちなのに、他人の密着には滅法気を付けているのだ。

***

数年前、JRに女性専用者の車両が設けられたニュースが報道された時に、
「日本人の男性は性的な抑制(コントロール)ができないのか?」と亜米利加人の男性に言われた。

これほど屈辱的なことを言われた事はなかった。
「アンタの英語、分んねぇ〜よ」と亜米利加人から言われたことは痛くも痒くもないくらいの辛い一言だった。

生まれながらに性的に抑制のできない性癖を持ったのが日本人男性ではない。
それは文化の違いなのだ。自国の男性(我が父を含む)を擁護する訳ではない。

かつて、私は、男性という生き物は女性が密着すると自然に欲情してしまい触りたくなるものだと思って痴漢を容認していた。つまり不可抗力で、勃起してムラムラしてしまって、痴漢行為をしてしまうのだと思っていたのだ。

だから、男女の密着を容易にしてしまう満員電車という環境がいけないと思っていた。
しかし、そうではないのだ。
満員電車に乗るニューヨークの男性に接して分った。
文化は違うとはいえ、同じ男性だ。

***

私はある意見に到達したのだった。

リビングルーム=茶の間を見て欲しい。
家庭環境が違うのだ。
ソファがあり、テーブルがあり、距離がある居間で育った者と、コタツという限られた狭い空間で脚を暖め合った者との違いだ。
生まれ育った人との距離感。それが、満員電車において痴漢行為をするか、しないかに顕著に現れていると思うのだ。

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痴漢撲滅には、炬燵(コタツ)の生活を止めなければならない!?