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場末のゲイバーが一転してサロン(社交の場に・・・)

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近所の場末のゲイバーだが、早い時間はビルくんとその仲間が飲みに来ているので、
顔を出すとビルくんをはじめ、博士課程のブラジル人M氏(ゲイ)、いつも悲しいと言っている黒人のMくん(ゲイ)、そして悲しいMくんの高校時代からの女友達ステファニー(ストレート)など
「知り合いのゲイガイズ」と女友達に会えるようになって、アメリカのドラマでは
必ず登場人物が集まるカフェやバーなどがあるが、場末のゲイバーがまさにそんな存在になった。

博士課程のブラジル人M氏には大学院について質問したり、言葉のセンスがあって
分かりやすく英語を説明するのが大得意なビルくんに英語の質問をしたり、
ダラダラ〜ガンガン飲むのではなく、日頃、自分では解決できない問題を相談できる。
とうとうこのレベルのゲイのお友達が出来た!とジーンと胸をいっぱいにしている。

ところで、スティファニーは典型的なニューヨークの独身女である。
部下もいる専門職。
アパートも自分のだ。
「男=ボーイフレンド」がいない。
そして「男」といえば、ゲイ。

「リカーストア(酒屋)のお兄さんがすごい親切だったのよ。もしかして私のこと誘っているのかなぁ〜と思ったのよ。私のこと気に入っているのかなぁ。今度行った時に発展があればいいなぁ」と中学生のような、30代後半の女が言うのは痛過ぎる内容を話していた。
私もスティファニー同様に「痛い」女のカテゴリーに入っているのは確かだ。
家族がいたら子育てに忙しく、恋人がいたら一緒に過ごす時間を場末のゲイバーで過ごしているのだから。

スティファニーも積極的に私をビルくんとその仲間のイベントに誘ってくれる。
それも嬉しいことではあるが、ビルくんとその仲間と疎遠になるくらいの男性がスティファニーに
登場すればいいなぁと人ごとではあるがそう思う。

4

悲しみの深海。

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元彼氏とよく連絡を取り、会うようになった。
ゲイガイズとの約束(クラビング、バー・ホッピング)が第一なので、ゲイガイズとの約束がない時に会う。
「ゲイの方を優先するとは・・・」と言われるが、
「アンタと一緒にいても楽しくないから」とはっきり言う。

話はつまらないし、ファッションはダサいし、美的センスはないし、色気はないし、甘えてくるし、
ストレートだし、何も私にとって良いことなどない。
セックスしたい!と全く欲情もしない。
私がゲイガイズと遊ぶようになったのは「自分の責任」だとなぜか思っている節がある。
不思議なことに、ゲイ友と一緒にいる時とは感じることがない、安らぎのようなものがある。

でも、「よりを戻す」のは格好悪いと強く思っている。
なんだかモテない結果、戻ったのがアリアリなのがイヤなのだ。

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元彼氏とよく連絡を取り、会うようになったのは理由がある。

元彼の父親が亡くなった。
元彼が10歳の時に父親は家を出て行った。
元彼のお母さんである妻を捨て、子供を捨て、家を出た。
元彼はお葬式に参列した。そして親戚のおばさんが元彼に言った。
「離婚してから、アンタのお父さんは同性愛者になったんだよ」と。

離婚してから同性愛者になったのではなく、ゲイだった男性が女性と結婚して子供まで授かったが、
やっぱりヘテロの生活に堪えきれず妻と子供を捨てたのだと思う。

元彼は涙をこぼしながらこう言った。
「あの人はボクのお母さんにとっても冷たくって大嫌いだった。でも、ボクには自転車を買ってくれたし、勉強も教えてくれたこともあるんだ。良い思い出もあるけど、でもお母さんには酷い夫だった。ボクは大嫌いで恨んでいた。ボクはホモフォビアじゃないから、あの人がゲイだったと知ってショックを受けることはない。あの人の話し方や身振り手振りを思い出そうと努力したんだ。ゲイぽっかったかなぁと思えば思えるけど正直、分からない。お母さんに酷いことをした男だからずっと恨んで生きてきた。ゲイだったから、お母さんに辛く当たったのかなぁとその理由が分かるような気がする。だったら、結婚しなきゃ良かったんだ。ボクも生まれなかったし、お母さんも幸せでいられたのに・・・。誰も苦労はしなかった。あの人に会いたいと言われても会わなかったし、病気で苦しんでいると聞いても助けようと思わなかった。でも死んでしまった。ひとりで寂しく死んでしまった。もう会えない。自分の根源を失ったようで辛いんだ・・・」

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お父さんがクローゼット・ゲイだった場合、子供はどう思うのだろうと最近考えていた。
こんなに私の身近にいるとは正直驚いたが、子供にとって父親が同性愛者ということは問題ではなく、
母親と自分を捨てた・・・ということが心の大きな傷になる。

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親族を亡くすということは辛い。
想像以上に辛い。
元彼は悲しみの深海にいる。

手に負えない嫌われ酒乱女!

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私はお酒を飲んだ時に異常にエネルギーが発生するタイプのようで、つまり酒乱のようで
日本で暮らしていた時、非常に嫌われるか、ますます好きになってくれるかのどちらかに
きっぱり分かれる傾向にあったが、大抵は嫌われていた。
よっぽど酷いのだろう。
「野獣」「怪獣」と後輩の男子に言われたことがある。

日本では私が負けたと思った、私以上にお酒を飲むとエネルギーを発散する人は2名いた。
ストレート1名にゲイ1名だ。

大抵の日本男児はお酒を飲むとパワー全開になる私を敬遠した。
世界は広い!こんな私でも受け入れてくれる場所があるはずとニューヨークに移り住んだ。

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ニューヨークに移り住んでからは、ジャスティンとカールくんが恐ろしいくらいに私以上だ。
久々に負けた!と思った。
カールくんは私のパワー全開を「YOU ARE SO CRAZY! I LOVE YOU!」と言ってくれる、
私を認めて受け入れてくれた数少ない人物だ。
ま、酒乱同士、傷を舐め合っているとも言えるだろうが。
どんなに私がお酒を飲んでノリノリになっても嫌われず毎週金曜日にはお誘いが来るし、
平日はテキストで連絡をとる。

私はこの自分のパワー全開のノリをOKだと思っていたのだが(皆に受け入れてもらえると考えていた)、
先日一緒に夜遊びした日本男児ゲイガイズからはっきり、きっぱりと
「メグミさんはout of control(手に負えない、手に余る)だったわ〜。
いつもなの? あんな感じだったら遊ぶの嫌だわ〜」と2人ともに言われてしまった。

彼らと一緒に遊んだ時、私はスペイン人と日本人のハーフのハンサムで己のセクシャリティーに迷いを感じている青年と舌をからませ、抱き合った夜だった。
激しくはしゃいでいたのは事実だ。
記憶は喪失していないし、しっかりある。
しかし、これはジャスティンやカールくんが一緒にいたら、手に負えないなんて
言われないことである。

嫌味を言えば、女である私の方が彼らよりモテた夜だった。ふん。
嫉妬したのだろうか?と思うが、私の行動は彼らにとっては受け入れ難い所行だったのだろう。
日本男児ゲイガイズには「もう二度と遊びたくない」と言われた(ようなものだ)。

あ〜ん(号泣)
私はストレート、ゲイというセクシャリティーには関係なく「日本男児」には拒否されてしまうのだろうか、と号泣したが、その後、「今週も遊ぼう!LAから友達も来るし!」とカールくんからテキストがあって救われたような気がした。
万人からは好かれるなんてあり得ないけど、それでも祖国の男性からの拒絶されることは胸が痛い。

捨てる神あれば拾う神あり。
このことわざがジーンと胸にしみた。

10

ゲイがたくさん登場する普通のドラマ

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Desperate Housewives『デスパレートな妻たち』はご存知アメリカのドラマでABCテレビで毎週日曜日夜9時から放映されている。
現在、第5シーズンだ。

先々週の第13話で、近所のハンディーマン(修理屋さん)が亡くなり、彼にまつわる思い出がそれぞれのキャラクターを通して繰り広げられた。
イーディ・ブリット(Edie Britt)、筋肉モリモリの金髪の不動産業者の場合、
(彼女は第5シーズンでは3番目の夫とウィステリア・レーンに戻って来ていた)
2度目の夫との関係が描かれていた。

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イーディーを演じるニコレット・シェリダン!モリモリ筋肉は素敵だ!

2度目の夫はイーディとのセックスを何かと理由をつけて拒み、「キミは求め過ぎだよ」とイーディーを
責め、イーディーは拒否され悲観にくれ、かつ欲求不満でイライラは最高潮に達していた。
ハンディーマンとの絡みは省くが、2番目の夫がゲイであることが判明し、離婚したという事情が
語られた。
夫はゲイだったから、女である妻とのセックスを拒否したのである。
できなかったのである。

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日曜日の午後9時といえば、♪明るいナショナル、みんなのナショナル♪のテーマソングを思わず口ずさんでしまう、TBS東芝日曜劇場とNHK教育の日曜美術館のテレビ枠であ〜る。
(って、さっきググったら、東芝劇場って終わってしまったらしい。私は完全に浦島花子である)

その時間帯に放映されるアメリカの地上波ドラマは、夫がクローゼット・ゲイだったことが
エピソードのひとつとして普通に放映されている。
それに、Desperate Housewives『デスパレートな妻たち』の脚本家はゲイであるし、ブリーの息子はゲイだし、息子の恋人は外科医で近々結婚の予定だし、近所にはゲイ・カップルも住んでいて、ひとりはスーザンとゲイバーに行くし、
ゲイ・キャラクター満載のテレビドラマだ!

アメリカはゲイ先進国だと思わずにはいられない。

5

愛の行為そのものだと思うのだが。

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「女は生まれつきボトム(受け身)だけど、ボクはトップになったり、ボトムになったり、相手によって変わるんだぜ〜」と先日、ゲイマンの誰かが私に言った。
博士課程のブラジル人の男性だったか思い出せない。

正直、変われてうらやましいと思う。

カールくんは最初イタリア人の弁護士に「トップ」になって、それから「ボトム」になったと教えてくれた。
もっと俗ぽっく言えば、「やって、やられた」のである。
セックスにおいて役割を交換できる。
それはお互いペニスがある男性同士の愛の行為だからこそ可能だ。

ジャッキーの今の彼はトップなので、ボトムだが、前の彼はボトムだったので、
トップだったと教えてくれた。

カールくんもジャッキーもどっちもOKなversatile(バーサトル)だ。
ビルは絶対トップで、クリスは絶対ボトムでトップには絶対なれないと言っていた。
クリス曰く「トップになろうとすると(挿入しようとすると)萎えちゃう〜」。

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ストレートの男友達に聞くと「絶対、挿入されるのは考えれない」と言う。
しかし、例外もある。
私の女の知人(ストレート)のボーイフレンド2名は知人女にストラップ・オン(日本語で言うところのペニス・バンド)をつけて、お尻に挿入して欲しいとお願いされたという話をそれぞれ別のカップルだが聞いた。
私は男性がバイセクシャルか、クローゼットのゲイではないかと本人には私は言わなかったがそう思った。

話を戻すが、ストレートは「絶対、挿入されるのは考えれない」と言うが、ゲイガイズの中には
挿入しても挿入されてもOK!という方々いる。
なんと柔軟なんだろう!

セックスは愛の行為ではあるが、その前に基本的には女性にとっては我が子を孕むための生殖行為である。
精子を受け入れないと何も始まらない、生まれない。
そうやって我々は生を授かり、この世に誕生した。

私は女だから、男性を受け入れることは疑問もなく、本能的に受け入れてきたが、
ある時、疑問を持った。
射精でセックスが終わるのは、セックスが生殖行為だからで、「精子を受け取った」ということで終了する。
しかし、同じ性同士で、しかも受精がないゲイマンのセックスは「愛の行為」そのものだと思った。