12

私を慰めてくれる場所とは・・・。

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日本に帰国。
ニューヨークよりも寒く、かつ日本家屋である実家は毎朝が禅の修行のようであり、
お風呂に入るのは滝行の如く。
肉体的には厳しいが、両親の元に帰り、悲しみはなくならないけど、癒えていくのを感じる。

***

約1年ぶりにある友人に東京で会った。
ニューヨークのゲイ・ダンス・クラブといえばのSplash
Splashに関しては何でも知っているのよ〜的な顔をしているが、その友人が紹介してくれなかったら、
Splashの存在を知らずにニューヨークに暮らしていた。
アタクシのニューヨークのゲイ道の扉を開けてくれた重要な人物だ。
ゲイの友達、フミオだ。

失恋した私を慰めてくれようと連れていってくれたのがSplashだった。
去年の3月、フミオは長年暮らした(約10年)ニューヨークを離れ日本に帰ったのだ。

しかし、フミオと共通のアメリカ人の友人(ニューヨーク在住・男・ジェフ)からフミオが私の悪口を言っている
という話を聞いたのだ。
フミオを「二度と会いたくない人物のリスト」に入れた。
ジェフはフミオと頻繁に電話で話していた。

共通の友人ジェフが私が日本に帰るのならば、フミオに渡して欲しい本があると言ってきた。
悪口を言っていると言われている者に会うのは決して気分が良いものではない。
正直に言えば、会いたくなかった。
ジェフもわざわざ言わなくてと思ったが、ジェフは言っても私が傷つくとは思っていなかったらしい。
毒舌のフミオがこう言っていたよの類いの気持ちだったとは思うが、
私は激しく傷心した。

「フミオが悪口を言っているって言っても、フミオは誰にでも辛口だし、それにアンタ(私のこと)もフミオのことボロクソに言っているじゃない。お互い様だよ。悪口を言い合うなんて、実はひそかに愛し合ってんじゃないの? アハハハ〜」
フミオがゲイであることはもちろんジェフは知っているわけで、からかわれた。

実際、フミオの悪口を共通の友人ジェフに頭に来てお返しとばかりに言いまくったのも事実だ。

悪口を言っていると言われて小学生のように「二度と会いたくないリスト」に入れたわけだが、
フミオが帰国して元気でいるのだろうのかがずっと気になっていた。
共通の友人ジェフからの渡して欲しいとお願いされた本を渡すという大義名分もある。

フミオは辛辣だし、皮肉屋だ。
だから話しをして楽しいのだ。
気にするのは止めて、フミオに会うことにした。

ところで、フミオが言った私に関する悪口とは「人生、甘えている」とか「楽して生きようとしている」とか、
そういうことだ。

***

待ち合わせは新宿駅の西口だった。
みどりの窓口でNARITA EXPRESSのスケジュールを時刻表の本で調べていると聞き覚えの声がした。
「メグミさん、お久しぶりぃ〜」

仕事帰りのフミオはスーツを着ている。
痩せ形で180mはあるだろうの長身だ。
フミオは女言葉の日本語を話すが、しなってはいない。
仕事場で女言葉を話しているのか、どうなのかは分からない。

「ねぇ〜、どこに行く?」
「居酒屋とか、日本的なところがいいぃ」とリクエスト。
「じゃぁ、思い出横丁の焼き鳥でどうぉ?」
「きゃぁ〜、いいね」

新宿西口といえば、思い出横丁。
若かりし頃の私が飲んだくれた場所だ。
有楽町のガード下、高円寺のガード近く、そして新宿西口のガード下が私にとっての三大ガード下だった。

十数年ぶりで訪れる思い出横丁は遥かにきれいになっていた。
かつては油でギトギトしていて、流しのギターもいた。
現在は働いている女の子は、若くてかわいい韓国の女性だ。

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きれいになった新宿西口思い出横丁。

ビールでまずは乾杯する。
頼まれ物を渡す。

「メグミさん、この度は大変だったわねぇ〜。ジェフ(共通のアメリカ人の友人)から聞いたわよ」
「う〜ん。祖父母が亡くなってもこんなに打撃はなかったのに。心が痛いよ」
「ボクもね、父親を亡くした時、気がついたら北海道を放浪していたもん。分かるわ」

***

時間はあっという間に経ち、悪口を言われた云々ということをすっかり忘れてしまった。

「そろそろ帰らないと終電なのよ」
東京の電車運行事情は24時間ではないし、マンハッタンに比べて巨大都市であるTOKYOはタクシー料金も高く、
郊外だと数万円の世界だ。

「明日、仕事だけど朝まで飲んじゃおうかな」
「飲もうよ!飲もうよ!」
「メグミさんを慰める場所がいいわよね。じゃ、二丁目行く?」
「行きたい!行きたい!」

フミオと私は新宿二丁目に行くことにした。
前回の帰国では予想もしなかった事情により、足を踏み入れることを断念した場所。
それに最後に行ったのは、四捨五入したら20年も前だ。
月日は流れた。

靖国通りでタクシーを捕まえ、乗り込んだ。
いざ!二丁目ぇ〜へ!

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F*CKの仕方は知っていてもF*CKの使い方は知らない。

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***
ストレートの男友達マスターベーダーが郊外に用事があるので車を借りたから、気晴らしにドライヴでもと誘ってくれた。

マンハッタンを走る車に乗車するということはある意味、遊園地に行かずともジェットコースター気分が味わえるという特典がある。キャブの運転が激しいのは有名だ。
世界のあらゆる国から移民しているキャブ・ドライバーの運転は、それぞれのお国柄を反映しているのだろう、ニューヨークの運転免許を所持しているとはいえ統一されているものはないらしい。

運転すると性格が変わるという話を耳にする。
普段はおっとりして、おとなしい人なのだが、車を運転するとスピード狂になるとか。
私は運転免許もないし、車の運転はできないのだが、車に乗ると性格が豹変する。
割り込んで来るキャブにCURSINGする。
窓を開けて叫ぶという我が命を顧みないようなとんでもない行為にはでない。
あくまでも車内でだ。
ストレス発散のようなものだと思っている。
ちなみに、CURSEとは、罵る言葉だ。
一番有名でよく耳にするCURSEを代表をする単語といえば、F*CKだ。

外国人の私がCURSINGしているのがマスターベーダーに受けるのだろう、笑っている。
すると増々言いたくなる。

“Smelly Ass!(スメリー・アス)!!”
とクラクションを慣らしたキャブに言った。
「臭いお尻」と言いたかったのだ。

「おもしろいけど、そんなCURSEはないよ。さっきから思ったんだけど、日本にしばらく行っていたからかな、
英語が変だよ」と言われた。
それはジャスティンにも言われた。
ジャスティンの言っていることがさっぱり分からなかったことがあった。
「メグミ、どうしたの? 英語、忘れちゃったの?」

むむむ、ヤバい!!

母国語である日本語を忘れるということはないが、第二外国語である英語は使わないと忘却の彼方だ。
今後、ニューヨークに生活しても決して上級者の英語使いにはなれないだろうが、
ゲイバーに行ってドリンクをオーダーして、ゲイメンに「ハンサムぅ〜」と褒める程度の英語をやっと話せるようになったのに。
また日本に帰るのに、このままじゃ折角覚えたちょっとだけどの英語を忘れてしまう。

***

ドライブの翌日、マスターベーダーから連絡があってまた会った。

「日本でコレ読んで、英語の勉強をするように!!!戻ってくる時はF*ckが正しく言えるようにな」
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いただいた本のタイトルは、English as a Second F*cking Language

マスターベーダーがくれたのは、F*ck(性交)やAss(臀部)やPiss(尿)やShit(糞)という単語を使った
CURSE /SWEARを英語を第二外国語としている者に正しい使い方を教授するという英語の本だ。

「キミが好きなSODOMYのチャプターもあるよ」
と彼が付け加えてくれたことも付け加えておこうと思う。

***

序文を読んで、この本が好きになった。
著者はESLを専門とするSterling Johnson教授。
ちょっとだけご紹介しよう。

・・・・・・
『英語の教科書には下記のような会話に使われて、頻繁に登場する言葉がありません』と説明文があり、
下記の会話が示される。

Night at the Opera

John: Mary, would you like to attend the oppera this evening?
Marry: Fucking-A. Should I wear my black dress?
John: Why the fuck not?
Marry:Fucked if I know- Oh, fuck! I just remeber. It got fucked up in the wash.
John: Well, fuck the opera, let’s stay home and fuck.
Marry: Good fucking idea.

この会話を読んでお気づきだろうか?
FUCKがたくさん出てくる。
そう、そうなのだ。
アメリカ人が大好きなfuckだが、fuckと言っても上記の会話のように名詞だったり、動詞だったり、
意味も違ってくるのだ。知っているようで知らなかったfuckの使い方(仕方は知っているが。←冗談言ってみた)。

本文もシャーロック・ホームズ的というのか、アメリカ的な直球ジョークでなく屈折した鬱屈したジョークを
交えているのである。それも詩や文学作品を引用していても落とすところは落とすというジョークの極みを
見せてくれる著者だ。

総ページ88という薄い本だが全てをマスターできるかは疑問だが、
この本を持ってまた日本に帰国する。
ニューヨークに戻ってマスターベーダーと次回会うときは少しでもGOOD F*CKING ENGLISH SPEAKERになれればと思う。

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著者であるSterling Johnson教授の顔写真が裏表紙に。猫とのこのポーズ。ゲイに見えてしまうのは私だけだろうか?

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ゲイマンになってゲイに愛される対象である男になる。

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***

子孫を残すことを近頃考えている。

この人のDNAならばと思う男性がいる。
彼の精子と我が卵子と結合させて我が子を〜と願っているのはLA在住のゲイの白人男性だ。

妊娠は男女の愛の営みであるセックスからではない。

人工授精だ。

しかし、人工授精(artificial insemination)という神をも恐れぬ生殖活動を操作している
現代の医学だが完璧ではない。

人工授精を試みても成功しないこともある。
1回で成功する場合もあるだろうし、数回行っても失敗する場合もあるだろう。
お金があれば受精卵を別の女性に入れて妊娠、出産ということも可能だ。

***

ジャスティン(LA在住のゲイ友)と人工授精で妊娠を考えているということで電話で話した時に、
「人工授精に失敗したら、性転換して男になってゲイマンになる」と私は言った。

男になろうと真剣に思っているかと言えば、そうではなく、子供ができないのであれば
ゲイガイズから愛される対象になりたいと思ったのだ。

子供がいなくて、この孤独感を一掃してくれるのはなんだろう?
それは愛して愛されるということだろう。
他人で私を愛してくれる存在がいないと嘆くならば、私が好きだけど決して恋愛対象にはならない
「彼らの恋愛の対象」になればいいのだ。
彼らとはゲイマンだ。
彼らの恋愛対象とはそうゲイだ、男だ。
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男になる!

***

ジャスティンがニューヨークにいた頃、彼のニューヨークのアパートでゲイのケーブル・チャンネル(LOGOかHereか?定かではない)でトランスセクシャル(性転換)をした人々のドキュメンタリーを観た。

ドキュメンタリーでは、女から男に性転換をした男性とゲイガイのカップルが紹介されていた。
ゲイがボーイフレンドなのだ。

どこの州かもうろ覚えなのだが、ワシントン州のシアトルだったと思う。
性転換後、ボブ(仮名、この世に生を受けた時は女)は地元のLGBTセンターにボランティアに行く。
そこに同じくボランティアで来ていたマイク(仮名、ゲイ)はボブに一目惚れ。

ボブは胸のふくらみを切除して男性ホルモンを投与していたが、外性器は女性のまま。
マイクは「初めは慣れなかったけど、今ではすっかり慣れました」とセックスについて語っていた。
寄り添う二人はゲイカップル、そのものだった。

ジャスティンも言っていたし、このドキュメンタリーのことを話しをした他のゲイガイズも口を揃えて言ったのが、
「ボブがゲイマンになったのではなくマイクがストレートになった」ということであった。
ゲイはペニスが好きだからだ。

以前に男から女に性を転換し、本物のレズビアンになったナンシーさんに心が惹かれることを書いたことがある。
ナンシーさんは晴れてレズビアンになった。

ドキュメンタリーのボブ(仮名)がゲイマンになりたかったということは言ってはいなかったが、
男になって男のボーイフレンドを持って幸せなのは確かだ。

セクシャリティーは曖昧であり、こうだと決められるものではないと改めて思った。

***

そのドキュメンタリーを一緒に観たということを踏まえて私は前述の発言をしたのだ。
「人工授精に失敗したら、性転換して男になってゲイマンになる」と。

ジャスティンの返答はこうだった。
「何を言っているんだよ。メグミは美しい女性なんだがら男になってはダメだよ」

ジャスティ〜ン。

私を美しいと言ってくれる男性は、この世でジャスティンしかいない。
日本とアメリカでは美の観点が違う。
日本では全く見向きもされなかった人が海外に出て日本人というオリエンタルな雰囲気だけで
モテるということは多々ある。

それは日本人のゲイも同様のようである。
「日本ではブスって言われてたけど、こっちの黒人のゲイにオオモテぇ〜」と言っていた男の子に会った事がある。

アメリカじゃ全くモテなかったGEEKの白人男性が英語教師になって日本を訪れ、アメリカ人男性に接したことが
希有で、アメリカ人男性の平均の外見も知らない日本人女性にモテモテ〜という話もあるわけで、
私が美しいと言われるということは、ジャスティンが日本人女性の平均以上の美を知らないからということであるのは
明白だが、それでも”BEAUTIFUL”と言われるのは嬉しいものであ〜る。

そんなジャスティンを傷つけたという罪悪感に日々責められている。
ゲイガイには愛されたいとは思うが、男にはなりたいとは思ってはいない。
男になる前に母になりたい。

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ゲイ2人と女1人。愛の三角関係にはなり得ないが、糸が絡む。

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***

ジャスティンがニューヨークにいた頃、ジャスティンはルームメイトと暮らしていると言っていた。

アパートの持ち主はルームメイトで、ルームメイトの犬の散歩をしたり、洗濯物をランドリー屋さんに持っていったり、使用したお皿をディッシュウォッシャーに入れたりと、簡単な家事を助ける条件で家賃は格安にしてもらっていると教えてくれた。

実際、彼らのアパートで数日間、お世話になって判明したのは、掃除機をかけているのはルームメイト氏だし、お皿をディッシュウォッシャーに入れているのもルームメイト氏だし、犬の世話をしているのもルームメイト氏だし、ジャスティンはどんな家事をしているのか?疑問に持った(笑)。
ルームメイト氏も「ジャスティンは何もしないのよぉ〜」と笑っていた。

ニューヨークにいた頃、ジャスティンはルームメイトとセックスしたことがあるとも教えてくれた。
3P(くどいようだが、英語ではThreesome)を2回ぐらいだと言っていた。

プラハの君も「友達とはやっている」と言っていたし、それにジャスティンの性行動を間近に見ていれば、
身近なゲイとしているのは何ら不思議なことではない。
しかし、ストレートの世界だと考えにくいことではある。
ま、男性にしてみれば理想だろうが、女性にはなかなか難しい。

LA滞在中にジャスティンは仕事で忙しかったので、ルームメイト氏と2人きっりになることが多かった。

車での移動中にルームメイト氏からもジャスティンとセックスしたことを聞いた。
私がジャスティンがニューヨークを離れLAに帰った後、落ち込んでしまったことを話した後に彼が言ったのだ。

私もそれなりに人生を長く生きており、知恵がついているので「その話、ジャスティンから聞いた」とは言わずに、
「うそぉ〜!したのぉ〜?信じられない」と答えた。知ったかぶりはいけないことは多々ある。

「ジャスティンがニューヨークに行っている2ヶ月は私もアナタと同じように寂しかったわ。

ジャスティンとはThreesomeだけどセックスをしたの。
一緒に住むと性的な興味が湧いて、そのテンションが高まってしまってね。
セックスをしたら、すっかり落ち着いて、今では弟のような存在よ」

男は一度してしまえば落ち着く。

そこで恋人に発展していくのかは気が合うとか外見が好みだとか、セックス以外のところで興味を持つことにあるのだろうが、まずはの一回が男性にとっては重要なのだ。
すると落ち着くのが男性の性そのものなのだろう。

男の性の真実について知るのはゲイガイからばかりだ。
当事者ではないから客観的に見られるからだと思う。

今でも時々、しているのかを質問してみたが、していないと言っていた。

「ジャスティンは、私がいない時に連れ込んでいるようだけど、それもジャスティンははっきり言わないからね〜」

ここでも知ったかぶりして「今日は何人としたとか電話で教えてくれる」とジャスティンの噂話に花を咲かせる方向では
言わなかったが、「ニューヨークのゲイバーではジャスティンが一夜の恋人を見つけて私が一人残されることが常だった」とは言った。

「あっはははぁ〜。ジャスティンらしいわぁ」。

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本文とは関係ないが、Virgin Mega Store@ Union Squareで販売されているレインボー・キティちゃんトートバック。ゲイをサポート? もしかしてキティちゃんも!?

***

ジャスティンが「なんで俺じゃなくって、ルームメイト氏の精子なんだよぉ〜」と激高した時の電話で
私はジャスティンに質問したことがあった。

「どっちが挿れたの?」。

ルームメイト氏が挿入したのか?
ジャスティンが挿れたのか?

なぜ、こんな話になったかと言えば、ジャスティンがその時の電話で
「俺はルームメイト氏とThreesomeをしたんだぜ」と言ったからだ。

自分が言ったことを既に忘れているのか?
それとも意地悪で私を嫉妬させるためなのか?

ジャスティンの答えは、「ルームメイト氏の方だよ」だった。

以前は、ただの触り合い(TOUCHING)だったと言っていたが今回初めて挿入の事実を知った。

「どうだった?」と私は聞いた。
「もう一人が30代のおやじだったから、奮い立たせなくちゃいけなかったからさ」

ルームメイト氏がジャスティンに挿入したのは好きという感情なんかなかったというのを言い訳するようにも
聞こえた。私の勝手な解釈だが。

「俺、セックスしまくっているから、昔のことは覚えていないよ」
とこの話題を打ち切りたいという言い方だったので、それ以上、私も何も聞かなかった。

嫉妬。
全く発生しなかった。

私はルームメイト氏がジャスティンに挿入したという事実を知って私は嫉妬を感じなかった。
好きだったイェール大卒の英語の先生が私の女の友達とセックスをしていたら私は嫉妬に苦しむと思う。
過去の彼氏の別れた昔の彼女にも激しく嫉妬したことがある。
いろいろ詳しく質問して更に苦しむということをしていたが、今回の事実に全く何も感じない。
むしろジャスティンとはCOMRAD(同志)だ。
ゲイの相関図に加われた感じさえする。

じゃ、逆にジャスティンがルームメイト氏に挿入していたら・・・?

それは厭だ。

考えるまでもなく即答で出て来た。
それは私が恋をしているルームメイト氏が「やはり男性」であって欲しいと思っているからだ。
これまで、どっちが挿入しようがされようが、口でしたのかどうなのか、射精はどうだったのか?
体内でしたのか、外でしたのか?
なんて全く気にならなかったのが急に気になるのは、恋以外の何ものでもない。

フェミニンな英語を話し、美的感覚が女性的で、手の動き方もゲイ以外の何者でもなく、飼う犬の選択も
ストレートじゃ絶対あり得ないTOO GAYであることに胸がトキメキ、ドーパミンが溢れるが、
「男」であって欲しいと願う女の私がいる。

***

ジャスティンが激高したのは、己の子供を産もうと思ってくれない彼にとっては非情な私に対してであり、
「俺がこんなに好きなのに、どうして?」という恋愛感情があるからでは、悲しき哉、全くない。

ルームメイト氏はバイセクシャルではないが、女性ともできるゲイであり、
彼の友達は全て肉体関係のあるゲイだから友情の一環としての行為であるわけで私が彼に抱くような気持ちを
彼もというのは絶対あり得ない。ヘテロの世界でいえば、同性の友達に抱く友情と考えれば理解しやすい。

ジャスティン、ルームメイト氏、私の3人はLOVE TRIANGLE(恋愛の三角関係)ではないし、
LOVE TRIANGLE(恋愛の三角関係)にも発展しない。

だから、私たちの関係(ゲイ2人に女1人)は、「ゲイの精子で妊娠を望む女の卵子をめぐるちょっと絡んだ糸というかんじ」だと思う。

ほつれるのか?
ほつれて欲しいと思うが。

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この写真も、本文とは関係ないが、Virgin Mega Store@ Union Squareで販売されているバービーのトートバック。背後にレインボーが!ボーイフレンドのKENはゲイ!?なので、バービーもサポート!?

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友情と愛情と性欲とゲイとの家族計画と。

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泥酔乞精子告白事件から私とルームメイト氏は頻繁に連絡を取るようになった。
メールと電話で。

新しいKEN(S)をケータイ写真メールで送った。
すると「まぁ〜、実は私もその一ひとつのKEN DOLLを買ったのよ。郵送しようと思っていたのにぃ〜」
という返事だった。
英語の文章では女言葉というものはないが、彼が書いた文章を読む時は私の中で女言葉の日本語に変換されている。

私のためにKENを買ってくれていたなんて!もうぉ〜大大大好きぃ〜!
気の遣い方が女性的なのが、これまた胸にぐっと来る。
彼は素敵な父親になれると確信できる。

ルームメイト氏と連絡を取る一方で、ジャスティンとの連絡の回数が少なくなっていき、
留守電にジャスティンからのメッセージが残っていても折り返し電話しなくなった。

それもこんな嬉しいメッセージだったのにもかかわらずだ。
「アメリカに戻って来て嬉しいよ。いつものように電話しやすくなる!メグミ、I LOVE YOU!!」
私にはっきりI LOVE YOUと言ってくれるのはジャスティンしかないのに。

なぜ、電話をしなかったのか?

罪悪感からだった。

家族計画の話をして日に日に親密感を増しているルームメイト氏はジャスティンを通して知り合った。
それに、もうひとつ。
ジャスティンとも家族計画の話をしていた。

ジャスティンは将来ストレートになって(!?)子供を持ちたいと思っていると言っていた。
「じゃ私が!」とは言った。
「サンフランシスコに移住だ」という話も出た。

ジャスティンがどこまで本気で言っていたのかは知らないが、
それはたわいもない、話を盛り上げるためのスパイスに過ぎなかったと思う。

それに、ジャスティンでは前に踏み込むことはできない、真剣になれないことがある。
ルームメイト氏という存在に出会わなくてもジャスティンを父親にとは思えない。
ジャスティンは友達なのだ。

***

ルームメイト氏と電話で話した際に、
「ジャスティンを裏切っているような気がする」と正直な気持ちを言った。
「そんなことはないわよ。気にしなくていいのよ」
と言ってくれるものの、BETRAY(裏切る)という単語が頭の中をぐるぐる回る。

「ジャスティンには倫理感なんてないんだから。私が付き合っている人と最近、セックスしたしね」。
「そうなんだ」。

ルームメイト氏と私との関係をジャスティンがとやかく言う立場にないとルームメイト氏は言っているのだ。

「ジャスティンは忙しいから、最近は全然一緒に遊びに行かないのよ」
ジャスティンは社会活動に従事するべく勉強している。

ルームメイト氏と話した後、私はこれ以上黙っていることはできないとジャスティンに長いメールを送った。

「泥酔して電話をルームメイト氏に電話を掛けて・・・。孤独に苛まされて、彼の精子で妊娠を考えていることを・・・。頻繁に連絡を取っていることを・・・。浮気しているように思い胸が痛い・・・。云々」。

***

ジャスティンから電話がかかって来た。

「CHEATER! CHEATER! (このぉ〜浮気者)!
ルームメイト氏は何にも言っていなかった。
2人で俺の背後でいろいろしていたようだな。ハハハ」と最初は笑っていた。

「なんで俺じゃダメなんだよ。メグミ、俺も子供が欲しいよ。
俺の精子あげるよ。

俺の兄が死んだのは4年前。
いまだに俺の心は痛いよ。
兄マークの痛みを想像してしまうと辛いんだよ。
だから、酒に走った。
それはメグミも目撃者のひとりだよね。
俺のママは2年間、泣いて暮らしていた。
ハーフ・ブラザーズやハーフ・シスターズ(腹違いの弟妹)はいるけど、
フル・ブラザー(同じ両親を持つ兄)
はマークだけだった。
だから、メグミの今の衝動、子供が欲しいって気持ちはよーく分かる。
俺もそうだから。
マークが死んだ後、俺もひとりぼっちだって感じたし、子供が欲しいって思っている。

分かるよ、ルームメイト氏がいいというのがさぁ。
経済的な問題は重要だ。ルームメイト氏はその点は安心な裕福なゲイだからな。
俺は貧乏だし。
でも、でも、俺じゃなくて、なんでルームメイト氏なんだよ」

「お金の問題じゃない。私のタイプだから」
と全く説得力のないことを言う。
しかし、それが全てである。

「俺のことが好きだって言っていたじゃん」
「好きだけど・・・。ルームメイト氏の好きとは違う好き」

***

「俺はルームメイト氏に毒を盛る!!」と叫び、
「もうケータイのバッテリーが切れるから」と電話を切ってしまったジャスティン。

***

ジャスティンは激高していた。

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ヴァレンタインズ・デーに欲しいのはチョコでも薔薇の花束でもなく。

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***

「精子をちょうだい!ゲイなのは承知しているから、セックスしてなんて言わない。
セックスしなくても人工授精で赤ちゃんが作れる世の中なんだし、日に日に歳をとっていくし、
妊娠しにくくなっていくし・・・」
と酔った勢いでルームメイト氏に叫んだ私。
世間で定められた高齢出産の年齢は過ぎている。

ところで、以前にもイェール大学卒の御方にも「精子をください」とお願いしたことがある。
彼はストレートで、私の英語の先生だった。

もやもや〜してしまって勉強どころではなくなり、この想いを伝えてあわよくば英語の勉強&セックスの両方を
我が脳と体にと考えていた。
お願いした時、驚くなかれ私は素面だった。
私は3年ほど禁酒をしていたので、その時の出来事だ。
「セックスは結婚してからと思っているので出来ません」
と冗談かもと受け取れる発言をされたが、それは冗談でもなんでもなく、真剣に思っていた!!
それでも諦めきれず、
「セックスしてくれなくてもいいから、優秀な子供が欲しいから精子だけでもぉ〜」
と哀願した。

それ以来、掛けた電話は取ってくれず、メールの返信もくれず、心が張り裂けてこの世から消えたいと思ったが、
時間が経って私は完全に諦めることができた。

***

今回の泥酔本音告白事件で、よーく自分自身が願っていることを考えてみると、欲しいのは精子で、夫&父親ではない!ということなのだ。

生活が成り立つのであれば、家庭に男(父親)はなくてもいいと思っている。
だから、究極、精子をいただき、妊娠することができて無事に出産することができたら自分で育てる—
が、私の理想なのだ。
しかし、理想論を言うのは簡単だが、覚悟しないといけないだろう、精子の持ち主がストレートでもゲイでも関係ない、ひとりで育てるということをだ。

酔った勢いとはいえ、「精子をください!」とストレート男性相手にお願いしてきっぱり断られた願いを
今度はゲイマンにしている。
懲りていない。

ところで、お願いに関する内容は同じだが、性質が全く違うことに気がついた。
それは私の心にどう影響するかという点にだ。

「セックスできない」とゲイであるルームメイト氏に言われても全く傷つかない!!という点だ。

だって、彼は女性に恋愛感情を抱かないゲイだとはなから分かっているから。
セックスできたら、その希少さに幸福感で私の心は満たされるだろう。
彼が何人の男と寝ようがなんとも思わない。
むしろ「セックスを見せてください。よろしければ私も入れて〜」とお願いしたいくらいだ。
女とセックスするのは自然であるストレートの男性に断られたら(ってもう断れているのだが)、
女性としてのIdentity(アイデンティティ)が根底から転覆してしまう。

もう二度と傷つきたくないから、ゲイに走るのだろうか。
臆病者だから、最初から愛されないと分かっている男性に向かう・・・!?

***

そうは言っても、失恋で心に傷を負った女性が全てゲイに走るのか?といったら、そうではない。
次のストレートの男性を探すのが一般的だろう。

私はストレートに行かずに、ゲイバーに行った。
ゲイガイズに囲まれている時が至極の幸福を感じる。

何度も言っているが、女の体にゲイマンが宿っている。
でも、生物学的には女だから、性交の可能性を秘めているストレートの男性の拒絶に生物学的な女として傷つくのだ。
・・・と結論付けてみたが、どうだろう?

***

ルームメイト氏から電話がかかってきた。
ちょっと前にメールを送ったのだ。
「私のこと怒っているでしょうね。読むのが怖くてメールが開けられません」。

深呼吸してから電話に出た。

「怒っていないわ」と開口一番。

ほっとした。

「赤ちゃんが欲しいぃ〜と叫んでいたわよ。ハハハ」
「本当にごめんなさい」
「今は酔っていないんでしょう(笑)?」
「うん。酔っていませ〜ん」
私が今思っていることを言わなければならないと思った。

「酔っていない時にも言うけど、私が言ったことは本当だから」

「お兄さんを亡くしてセンシティブになっているのよ」と冷静な答えだった。

「そうかもしれない。そうだと思う。地球上でたったひとりのような気がしているもん」

「よりによってゲイなんかを選ばないで、普通にセックスできる男性との間に赤ちゃんを作ればいいじゃない」
そう言われても困るのだ。

「お金を出せばノーベル賞受賞者のスパームだって買えるけどルームメイト氏の精子がいい。人工授精で・・・」

セックスを必要としていないことを強調したかった。

「もし生まれたら、ニューヨークでひとりで育てるの?」
「迷惑は掛けない。生物学的な父親だから養育費を出してっても言わない。アナタがゲイのパートナーと一緒に育てたいと言ったら、アナタに渡してもいい」

ルームメイト氏ならば、母がいなくても子供を育てられる気がする。
それは直感のようなものだ。
子供を育てているゲイ・カップルもいるし、シングル・ゲイ・ファーザーもいる。

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こういう本も出版されているくらいだ。On Being a Gay Parent: Making a Future Together by Brett Webb-Mitchell

「前にも言ったけどゲイマンは信用していないから、養子をもらい私が一人で育てることも考えているし、無理だとは分かっているけど家族を作るなら女性と一緒の方がいいとは思うのよ」

「じゃ、私はベストじゃない。私以外にいる? こんなにゲイが大好きで、ゲイ・ファーザーがいいって言う女。
他にいないでしょう?」
と、「ゲットしないと後悔しますよ」的なアメリカ式売り込み発言をしてみる。

「そうね。でも、数ヶ月考えてみるべきよ。それでも私を父親にっていう結論に達したならば、その時考えましょうね。
近くにいるんだったら、電話じゃなくって今から会いに行きたいわ。ニューヨークは遠いわ」

ルームメイト氏にすぐにでも会いに行ける距離ではない。
アメリカ大陸の東と西の端っこのニューヨークとロサンゼルス。
その通り遠い。
同じ国なのに時差が3時間もある。
車で7日間。
飛行機は6時間半。
反対側に飛べばヨーロッパにも行ける。

「今から会いに行きたいわ」
という言葉だけでも十分だった。
胸がきゅうとした。

***

急に私の心を支配する血のつながった者が欲しい。
このあがらうことができない気持ちは今後、どうなるのだろうか。
私自身では抑制できない。OUT OF CONTROLの状態だ。

***

roses1.jpg今日はヴァレンタインズ・デーだ。
アメリカでは日本とは異なって男性から女性にチョコレートや薔薇の花束を贈るのだが、
何かをいただけるのであれば、今の私は精子が欲しいかな(笑)。
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欲しいのはこの後のものが・・・。失礼しましたぁ〜!

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12

酒。記憶喪失。爆発。

<br /> TitleDPNY.jpg

講談社パブリからDeeeeep!New York!のケータイ版が発売されました!
発売日:12月14日(金曜日)3部構成で1部300円!
女の子が楽しめるセクシャルなニューヨークのエンタテイメントを紹介するコラムが今度はケータイで登場!!
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***

友達のアパートに出掛けた。
そこでワインを2本を飲み干した。
それから日本酒を飲んだ・・・と思う。
ラベルの画像がぼやけてはいるが残っているから、日本酒を飲んだと思うのだ。
絶対、飲まない日本酒だが、とにかく酔わせてくれるものなら何でも飲ませてくれ〜の心境だった。

友達のアパートはブルクッリンにある。
はっと気がつくと、私は自分のアパートでルームメイト氏とケータイで話していた。
いや、話していたのではない、叫んでいた。
ブルックリンで飲んでいたはずなのに、なぜ私はイースト・ビレッジの自分のアパートにいる!?

空間移動!?

酔っている私は真剣にワープしたのかと思ったくらいだ(笑)。

私はLAのルームメイト氏にこう叫んでいた。
「スパーム(精子)をちょうだい!赤ちゃんが欲しいの!!」

ルームメイト氏がなんと答えたのかは記憶にない。
しかし、彼のやさしい声だけは覚えていた。

ブルックリンからどうして帰ったのか?
それすらも記憶は曖昧だった。

地下鉄ではないのは確かだ。
寝転がりながら、マンハッタン・ブリッジかブルクリン・ブリッジかウイリアムズバーグ・ブリッジかの
どれかだろうが、見上げた橋の画像だけははっきり残っている。
キャブの後部座席に寝ていたのだろと推測する。
財布には16ドル入っていたが、それが全部なくなっていた。
「これしかお金がないけどマンハッタンのアパートまで送ってください」
とキャブ・ドライバーにお願いしたような気がするが、気がするだけでそれもはっきり覚えていない。

コートもマフラーもなかった。
紛失したか? 着ないで帰って来たのか?
それすらも覚えていない。

オデコにコブができていて、膝も痛かった。
転んだのだろうが、
それも完全に身に覚えがない。

しかし、ルームメイト氏との電話から記憶がせき止められることなく流れ出した。

ルームメイト氏と電話が終わり、バスルーム行った。
トイレットボールの蓋を開けた瞬間、ケータイ電話をトイレに落とした。
慌てて取り出した。
電源がすこしだけ入ったが、すぐに消えてしまい、完全に使えなくなってしまった。
ラインの電話ない。電話はそれしかない。
不安になった。
ジャスティンの電話番号はノートに控えていたので、公衆電話から電話して
ルームメイト氏にケータイ電話が使えないからと伝えて欲しいと言わなくちゃと思った。

クウォーター(25セントコイン)を探さなくちゃ。
*公衆電話は1回25セントだから
ルームメイト氏に伝えなくちゃ。

必死にアパート中を探す。

そこで、アルコールに冒されていた脳が、少しだけまともな精神活動が行えるようになって
電話しなくてもメールを送ればいいんだとコンピュータを起動させて彼にメールを送った。

送信した後、
「私って何をしてるのだろう。私は酔っているのだ。寝よう」と思った。

太陽の光の明るさの具合を考えると朝7時頃だったと思うが、時間の感覚もすっかり飛んでしまった。

***

友達と連絡を取ったのは3日後。
3日後に新しいケータイ電話を買ったからだ。

コートもマフラーも置いたまま帰ったらしい。
私はなぜ帰ったのか?
その夜は泊まるつもりで行ったのに。
詳細と経緯を知るのが怖かったので何も質問しなかったし、友達も何も言わなかった。
飲みごとでしでかした事を後でとやかく言う人がいるが、友達はさらりと流してくれる
粋な酒飲み人なのだ。感謝している。

***

ルームメイト氏からメールの返事が来ていた。
素面になった私は彼の返事がネガティヴであったらと思うとそれを受け止めるのが怖くて開けて読む事ができなかった。
酒に酔った私が何を書いたかは何となく覚えているのだが、送信済みのフォルダーもチェックできないでいた。

ずっとルームメイト氏と連絡を取りたかったが、ジャスティンのことが気になり、
LAで別れてから彼には電話もメールも送っていなかったし、ジャスティンに彼の近況を訊ねることもしていなかった。

しかし、アルコールが私の想いを爆発させた!
酔うと人は思いがけず押し殺していた想いを噴出させることがある。
電話を掛けたことに私自身が驚いてしまった。

***

亡くなった兄も独身で家族を作らなかった。
両親以外、肉親がいなくなってしまった。
親が亡くなったら、私はこの世で一人ぼっちになってしまうと孤独感に襲われた。

我が子が欲しい。

そう今まで思ったことがなかったが、強くそう思った。
だから、LAでファミリーを作ろうと冗談半分のような真実半分のような話をしていたルームメイト氏に
酔った私が電話をしたのは、彼を好きなことの外に、子孫を残したいという生物の本能が掛けるように
仕向けたのだと思う。

ニューヨークのアパートで一人で暮らし。
一人暮らしは気を使わず、煩わしさはなく気軽だ。
ゲイバー通いについても、酔って帰っても誰も咎める人がいない一人暮らしはサイコーだった。
これまで一度も孤独だなんて感じたことはなかったし、寂しくも何ともなかったし、
むしろ楽しくて仕方がなかった。
しかし、今、孤独をひしひしと感じる。
そして、その孤独に追い打ちをかけてくるかのように、そう寄せては返る波のように
時々、亡くなった兄への悲しみがやってくる。
辛い。

***

記憶がこんなに完全に飛んでしまったのはニューヨークでは初めてだった。
安全のために、記憶がなくなるような飲み方をしないように気を付けていたが、
心の激しい振幅が自分の掟を破るまでにアルコールを摂取させた。
このままでは私は壊れてしまうと思った。
酔って友達に迷惑を掛け、ルームメイト氏には迷惑泥酔電話を掛ける。
1回のレッスンで十分だと思った。

悲しみの大波に襲われても流されて崩れないようにするためにも、
悲しみを分かち合うことができる両親のもとに少しだけでも帰ることがいいかもしれないと思う。

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