フォトグラァーのスティーヴンに以前、撮影をたのんだDVDをピクアップしに彼のギャラリーに行った。
場所は、ミィート・パッキング・ディストリクト。
おしゃれなレストランが立ち並ぶ一角に彼のギャラリーがある。
彼とはフェティシュ・パーティで知り合いになった。
パーティで彼は次から次へと女性を裸にして縛っていた。彼は写真家でもあり、Bondage Artist(ボンテージ・アーティスト)、日本語でいうところの緊縛師でもある。それもアジア人女性女だけを縛って、縛って、吊るして撮った写真集を出版している。
一度だけだが、私は彼に縛られたことがある。
それも、我がニッポンのお家芸、世界のSM界でもICHIBAN(一番)に君臨する緊縛といったらの亀甲縛りで縛られた。
場所は、チェルシーにあるSMのお店の地下。ダンジン(地下牢)ではなく、段ボールが積まれたそのお店の倉庫。低予算のAVってかんじだ。
コロンビア大学の学生TV局が取材に来ていて、なんと私はカメラの前で縛られた。コロンビア大の学生の中には私の緊縛された映像を観た人がいるはず。
パンティははいていたが、縄の間から余り肉が大量にはみ出ていて、まさに究極のボンレスハムだった。究極を超えすぎてしまった究極のエロに、コロンビア大学の学生が吐いたりしていないことを祈るばかりだ。
さらに、ボンレスハムの体をサランラップでぐるぐる巻きにされた〜。
信じられないかもしれないが。
本当だ。
その上、フォースをくわえさせられ、なんで? と思うも間もなく、顔もぐるぐる巻きに。空気確保のためと気がつくのは後からだった。
視界は当然遮られ、全身ラップ巻きだから体も動かない。汗が吹き出て、SMサウナスーツ状態だ。
亀甲縛り風ボンレスハム・サランラップ巻。
そんなスシロール(巻物)つくったら、人気のメニューに、ならない、ならない(一人突っ込み)。
亀甲縛り風ボンレスハム・サランラップ巻の私
な訳ないです。ステーヴンのギャラリーにあったフィギア〜。
彼のギャラリーに入ると、先客が来ていた。彼はコロンビア人の若いフォトグラファーで、スティーヴンに写真を見せていた。
赤いライトの中、男二人が絡んでいる。コロンビアの首都ボコタのゲイバーで、ゲイのセックスショーを隠し撮りしたそうだ。じぃーと見ないと写真の内容がよくわからない。じぃーと見た結果、男の人が男の人の上にかぶさっているのがわかった。アートだとしきりにコロンビア人は言っていた。セックス・ショーの後は、ドンキー(ロバ)が登場して、ロバ君とゲイ・メンとのショーだったそうだ。Beastiality。
「うわっ」
そのゲイ・メンの役割を質問してみた。それは知っておかなければならない私にとって重要事項だ。ロバ君相手に受け身もそれから受け身じゃないのも両方していたという。その写真は撮影できなかったそうだ。彼の写真よりもロバ君の話の方が断然、衝撃度は高かった。
コロンビア人のフォトグラファーが帰り、スティーヴンが私の傷心ぶりを心配してくれる。失恋ばっかりだからだ。
亜米利加人にも露西亜人にも日本人にも振られた。
振られた、イコール、恋人もいないし、セックスもしていない。それもかなり長い間(同情するなら男くれ〜:古すぎ?)。
「そんな失恋を癒すのは簡単だ。セックスなんかしなくって、ユーを縛ってバイヴでいかしてくれる男を探してあげよう〜」
スティーヴンが約束してくれた。
スティーヴン特製のお仕置きベンチに縛られる日を夢見ながら、ギャラリーを後にした。