アメリカ西海岸ゲイバー巡礼の旅 第3回

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女の子が楽しめるセクシャルなニューヨークのエンタテイメントを紹介するコラムが今度はケータイで登場!!
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スコットに送られてサマーくんのアパートに帰宅。

何度もお伝えしているが、スコットはニューヨークで知り合ったゲイの男友達。
サマーくんもニューヨークで知り合ったが、彼はストレートの男友達。
スコットについては全裸姿も彼がセックスしているところも見ているし、私自身、キスもしている。
しかし、サマーくんとは一切性的な関係はなし。

一見すると複雑ではあるが、ゲイメン好きな女だから・・・の人間関係だと思われる。

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ところで、サンフランシスコには3つのゲイエリアがある。
CASTRO、SOMA、POLKだ。

サマーくんはゲイエリアのひとつであるPOLK(ポークと発音する)在住。
実は私が言うまで自分がゲイエリアで有名な地域に住んでるということを知らなかった。

サマーくんの近所にはゲイバーがいっぱいある。
知らないなんて、なんて惜しいことをしているんだと私は嘆いているのだが、興味のない人にとっては単なるバーにしか見えないのだろう。

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ゲイエリアであるPOLK STREET。昼間を激写!青い空がカリフォルニアだ。

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サマーくんに会うのは約1年ぶりだ。
挨拶もそこそこに私は酔って気分が高揚しているので、仕事で疲れていることもおかまいなしに
サマーくんに外に飲みに行こうとゲイバーに誘う。

「ゲイバー!? それは後で行こう。それよりも近所にあるんだけどさぁ、きれいなお姉さんがいるんだよ、そこのバーに行こう」と言う。

きれいなお姉さんと言っても日本のホステス・バーではなく、身長180cm(6フィート)以上の大柄な女性がいるところで、
つまり、トランスセクシャルかドラッグ・クィーンのお姉様たちが働いてるバーなのだそうだ。
スコットが最初に連れて行ってくれたasia SFのようなところだろう。

「えええ〜? さっき行ったからいいぃ〜」
とスコット行ったasiaを説明し、
「ゲイバーの方がいいぃ〜」と私は主張してみたが、男だらけのゲイバーよりも、元男性と分かっていても現在では女性になって美しく着飾っている女性がいるバーの方がいいというのがサマーくんの意見。
ストレート男性だもの、女性の方がいいに決まっているのだな、それに泊めてもらっているしと折れる。

サマーくんがずっと気になっていたけど、ひとりでは行けない未踏の未開のバーの名前はその名もDIVA(歌姫)。

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で、行くともう閉店の午前2時。

「1杯だけでも飲ませて〜」とお願いするが、アルコールは出せないと厳しい。
5、6人のお姉様がいたが、一人が先ほど行ったasia SFのダンサーだった。
すっかり意気投合したが、それでもアルコールはだめとキッパリ。

アルコールは出さないけど、午前4時までオープンしているトランスセクシャルのバーを教えてもらうが、
遠いので諦める。

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再会したダンサーのお姉様!素晴らしいダンスだった!

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「どんなことが繰り広げられているか見られなかったのは残念だけど、大きい女性のストリート・フッカー(街娼)が立っているストリートが近いからサンフランシスコの思い出にそこを歩こう!」とサマーくんが提案。

DIVAを出てすぐのストリートにミニスカートに超ハイヒールに厚化粧の大柄の女性がサマーくんの言うとおり立っていた。
立っていたのは一人だけではなかった。
それぞれ距離を保ちながら、4人の白人女性が立っていた。
全員きれいだ。

生まれた時は男性だったんだろうなの片鱗も伺える。

「どれくらいで一緒に来てくれるんだろうか? 聞いてみようか」

と興味津々の私はサマーくんに言うが、
「仕事として真剣にしているんだから、お願いする気もなくて冷やかしで聞くのは悪いよ」
という発言で、確かにそうだと納得。

「時々、誘いたくなるんだよねぇ〜。きれいだよなぁ。男だったなんて信じられないよ」
とサマーくんは何度も言っていた。

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以前に元コールガールの女性にインタビューしたことがあった。
彼女は作家のナンシー・チャンだ。自伝的な作品を書いている。
本のタイトルは、Diary of a Manhattan call girl

彼女が言っていたが、コール・ガールは身元が分かっている顧客から電話をもらってお仕事をするから
コール(電話)・ガール。
ストリート(路上)で見知らぬ客を相手にするよりは安全な立場にいるし、コール・ガールになれたのはラッキーだったと言っていた。ナンシーはストリートで働き危険に曝されているストリート・フッカーのために社会運動をしている。

危険な仕事のひとつに従事するストリートに立つ彼女達は美しかったが、胸に様々なことが去来して複雑な思いですれ違った。

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結局、我々はアルコールには辿りつけず(カリフォルニアは午前2時でバーが閉店)、サマーくんのアパートに帰る。

ニューヨークとの時差は3時間。
ということは朝の5時過ぎだ。
そう思うと急に眠気がして、かろうじて化粧を落としたものの私はサマーくんの用意してくれたベットにそのまま倒れ込み、
サンフランシスコ滞在第1日目の長〜い1日が終了した。