『チェリまほ』🍒最終回感想。残念がいっぱいだった。クィアベイティング Queerbaiting

おはこんばんちは!
『チェリまほ』の底なし沼にはまった。沼の使い方はあってるだろうか。日常生活に支障が出るくらい安達と黒沢の行方が気になり、黒沢(町田啓太さん)の息の演技に惚れた。
観たいけど終わってしまうのが怖くて観たくない最終回を観た。

* * * ご注意!以下、ネタバレ * * *

最終回はこれまでの盛り上がりを一気にドカーンと下降させてしまう残念がいっぱいのシーンばかりだった。ネットの記事を読むと大絶賛の嵐なのに。あまりにも現実からかけ離れている箇所や引っ張って引っ張って、「えっ?んっ?はっ?」的なのがあり、さらに原作では腐女子の藤崎さんのドラマにおいての描き方があんまりだったからだ。藤崎さん役の女優、佐藤玲さんの演技のことはではないのを断っておく。

1. 黒沢が相談するはずがない!!!

黒沢が藤崎さんにゆっくり話せるのはどっちのレストランかを質問した件について、有り得ないと思う。
安達のことは何でもリサーチしている黒沢なのになぜ藤崎さんに聞く?
それに、黒沢は会社でゲイであることを隠しているわけで、会社の同僚に聞くわけがない。
ましてや他の人がいっぱいいる社食で!? 非現実的。
原作では腐女子の藤崎さんはドラマでは恋愛に興味がない女子として描かれている。
もし黒沢が女子に聞くならばプライベートの女子の友達だ。
黒沢のセクシャリティも知っていて安達のことを相談している存在だ。
友達でも何でもない会社の同僚でしかない藤崎さんに聞くのは考えられない。

黒沢は「まいったなー」と認めたが、100歩譲って藤崎さんに質問したとしても「安達と行くレストランではないよ」ときっぱり違うと嘘をつくはず。
原作の腐女子である藤崎さんの腐女子という設定を取り除いて、理解ある同僚に仕立てた結果だと思うが、思いっきり失敗している。

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2. 藤崎さんがユーキャンで資格勉強しているぶっ込み感と腐女子を剥奪されて悟り説教女子になっている

スポンサーが「ユーキャン」だったからだと思うのだが明らさまにぶっ込んできた感が否めない激しいProduct Placement(プロダクト・プレイスメント)だった。宣伝したいものを小道具として使うという大人の事情があるのだろう。
それにしても藤崎さんは腐女子というキャラを剥奪されて、資格を取ろうとしている堅実な女子になっている。

「安達君ならどっちも緊張しちゃうかもね」とか「二人でお出かけ?」とかプライベートについて言及するほど安達と黒沢と仲が良いような伏線がないのに唐突すぎるドラマの藤崎さん。
同僚というだけなのに二人が付き合っていることをアウティングしてかつ「自分が自分を好きじゃなきゃ」などという説教までして悟り女子になっているのが激しく残念。酷い描かれ方だ!

プロダクト・プレイスメントするならば『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』の最新刊6巻にすべきだった。原作本をバッグに忍ばせている藤崎さん。「お疲れ様」と帰る挨拶をするのだが、こけてしまってコミックが飛び出してしまう。それを安達に見られてしまい、「やばい」と思って必死に隠す藤崎さん。とうとう安達に腐女子ということがバレてしまった藤崎さんだった・・・というのならば大歓迎だ。すみません、妄想が止まらない。

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3. 安達のファーストキスが出てこなかった!クィアベイティング Queerbaitingだ!

英語で書かれている海外ファンの反応を読むと、柘植と湊カップルはちゃんとキスしているのにメインのカップルが一度もクチビルを重ねていない!湊くんに至っては元彼とのキスも含めて3回もしているのに。最後のシーンもクチビルを重ねる前にエレベーターが閉まっている。全然ロマンチックじゃない。これはクィアベイティング Queerbaitingだ!と怒っている人もいた。

クィアベイティング Queerbaitingとは・・・クィアを釣る行為という意味。まさにドラマ『チェリまほ』最終回である。LGBTQ+の視聴者やファンの視聴者(腐女子)に同性同士のロマンスについて期待を抱かせて継続して視聴するように引っ張るマーケティング。しかし、結果的に何もないので、視聴者は不満を爆発しクレームの嵐になった。イギリスやアメリカで問題になった。

11話まで引っ張っておいて何もない!!!
同性同士のキスを見せてはいけないのだろうか。
安達と黒沢はキスしたのかな?と視聴者の判断に委ねる方法はホモフォビアだ。

LGBTQ+のティーンエイジャーも観ているはず。彼らがちゃんとキスをすることで自己肯定感を持つきっかけになると思う。暗喩がロマンチックな場合もあるだろうが、このドラマではそうであってはいけない。
藤崎さんに「自分が自分を好きじゃなきゃ」とそう脚本で言わせているのに愛を表現する方法であるキスを見せないとはどいうことなのだろうか。

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4. 花火をカットしてキスシーンを!

花火シーンは思いっきりカット!!いらない!!

六角くんと藤崎さんが花火をするシーンって必要だろうか。黒沢を尊敬している六角くん。友達の湊はゲイ。アライの六角くん。しかし、先輩の黒沢は六角くんにカミングアウトしていない。それに藤崎さんは理由を告げずに六角くんに花火の打ち上げをさせている。花火が中止になったからといって安達と黒沢のデートのためだと思って花火を打ち上げるとは二人のプライベートに土足で踏み込む藤崎さん。

NONE OF YOUR BUSINESS!LEAVE THEM ALONE!

お節介結構です!放っておいてください。

そんな時間ががあったら自宅でユーキャンの資格取得の勉強をした方がいいだろう(嫌味)。原作の藤崎さんが完全否定されてしまったようで、とても悲しい。ドラマサイドは原作の腐女子キャラがよほど嫌いなのか。腐女子あってこそのBLであり、BLは腐女子がいたからここまで大きくなったのに。リスペクトが欲しかった。

藤崎&六角の花火に費やされた時間(尺)をドラマチックな安達と黒沢のキスシーンにすべきだった。

私の希望では、QAFのS1の最終回でジャスティンのプロムにブライアンがサプライズ登場したあの感動のダンス&キスのシーンのように二人の周りをカメラが回って撮影してロマンチックにしっかりとクチビルを重ねてキスして欲しかった!!QAFがアメリカで放映開始されたのは丁度20年前である。時は流れる。

バズ・ラーマン監督のレオナルド・ディカプリオがロミオをクレア・デニスがジュリエットを演じたR+Jの二人の初めてのキスシーンはエレベーター内だった。映画史上最高のロマンチックなキスシーンだと思っている。さすがバス・ラーマン監督。メイキングシーンを見るとエレベーターの内の板を外しながら2人の周りをカメラが動いて撮影していた。エンディングのエレベーターシーンで使うのはどうだろう。ってもう遅いが。あんな中途半端なキスシーンもどきを見せられて怒っている。世界のファンを敵に回したと言っても過言ではないだろ。

何ならそのシーンだけでも私が監督する!!
脳内でイメージは完成している(スミマセン、上から目線です)

観たかったのは下記のような情熱的でロマンチックなキスだ。

QAFの中で最高の場面!だと思う。

バズ・ラーマン監督はさすがである。映画史上最高のロマンチックなキスシーンだと思う。

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5. 朝のシーンはホモフォビアなのか?腐女子フォビアだからか?

えーーーーーーーーーーーーー!多分結ばれた後の翌朝。2人ともに白いTシャツ着ている。
それに黒沢はグレーのステテコ(モモヒキ)を履いているではないか!

500歩譲って考える。
セントラルヒーティングが完備されているからニューヨークのアパートの室内は常夏のハワイだ。
私も部屋の中は激しく薄着。
パンツ一丁とTシャツ一枚でいる。

でも日本の家は極寒だ。

メイクラブした後、寒くなってしまったのだろう。
ステテコ着用は黒沢は冷え性なのかもしれない。

でも、でも、でも、『ギルティー』で町田啓太さんは服を脱いで上半身裸になっていた。
異性愛のドラマでは裸なのになぜなぜだ?
英語で書かれた海外の反応ではセックスの翌朝、Tシャツを着ているのは男同士裸で抱き合っているのを見せたくないためなのか。ホモフォビア(同性愛嫌悪)だからかと書かれていた。これもクィアベイティング Queerbaitingだ!引っ張って引っ張って、えっ? Tシャツ着てる。モモヒキまで。

それに画面の向こうにいるファンである腐女子が男性の裸を見てニヤニヤするのは気持ち悪いと思っているからの自主規制か。藤崎さんのキャラ設定といい腐女子フォビア(嫌悪)なのだろうか。

しかし、町田さんの寝起きの声はきゅん度♡♡♡♡♡無限大

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6. 同性婚が合法だったら・・・と思わずにはいられない

黒沢が膝をついてプロポーズ的にお揃いのペンを渡すシーン。
黒沢演じる町田さんはとても素敵だった。きゅん度♡♡♡♡♡

しかし、「結婚してくれますか?」ではなく、「ずっと一緒にいてください」って悲しすぎる。

これがアメリカ、イギリス、フランス、オランダ、ベルギー、スペイン、ポルトガル、スェーデン、アルゼンチン、南アフリカ、台湾他29か国ならば結婚の申し込みである本当のプロポーズになるのに。
指輪を渡しても着けても問題ないのに。

二人には指輪をして欲しかった。ココにこそ、Product Placement(プロダクト・プレイスメント)だ。町田啓太さんがCMをしているカルティエの登場ではないか。

『チェリまほ』ブームからうねりとなり2021年は日本での同性婚が合法になりますように!
私は願う!

安達と黒沢が結婚できますように!

がっかりしたことばかりではない。嬉しかったこともある。

1. 柘植と湊カップル

本屋さんで柘植さんの小説が並んでいるのを一緒に見るシーン。「金色の猫は月夜を舞って」の表紙イラストのモデルは湊くんだよね。きゅん度:カウント不可能♡♡♡♡♡

2. 安達の自転車のシーン

第一話のオープングシーンと最終話とつながったこと。自転車のシーンは『チェリまほ』🍒のシンボルだと思う。赤楚衛二さんの自信なさげな演技があってこそのドラマだった。インタビューを見ると言葉の選び方が優しく使い方にインテリジェンスを感じる。これから、大スターとして映画やゴーデンタイムのドラマに主演して羽ばたいて行くんだろうなと思う。

☆★☆全12回を鑑賞しての感想☆★☆

1. 町田啓太さんの魅力を発見したこと

実は『花子とアン』も『蛍草 菜々の剣』も『定年女子』も『女子的生活』も観ていたが、全く記憶になかった町田啓太さん。良くも悪くも爽やか過ぎて毒がなかったのか、一切覚えていない。ごめんなさい。『女子的生活』のみきちゃん同級生の名前が後藤というのは覚えていたのに、彼が町田啓太さんだったとは正直びっくり。
今回『チェリまほ』の黒沢を演じたことで脳裏にも心の奥にもしかっと刻んだ。

『美女と男子』や『女子高生の無駄使い』も面白いと日本在住の友人が言っていたのでいつか観たい。

『腐女子的希望』としてはハリウッドやヨーロッパ映画でできればGAY MANを演じて欲しい。GAY映画を踏み台(いや、きっかけ)にして世界の町田になって欲しい。

”Call Me By Your Name” 『君の名前で僕を呼んで』を美しい映画と言った町田啓太さんだから、海外のファンから
クィアベイティング Queerbaitingと非難されないためにも、人を愛することの素晴らしさをあの町田啓太演技メソッドと命名したいくらいの息の使い方で表現して、表現の自由に制限があった昭和のテクニックを使った隠喩方法ではない愛に溢れるキスやメイクラヴをポストコロナ禍の銀幕で観たい。

↑みきちゃんが断絶している家族が住む故郷の町に仕事で行ったので心配して行ったシーンのはず。しかと覚えているが、後藤が町田啓太さんだったとは。すみません。

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2. 3ヶ月の放映期間、現実逃避できて幸せだった。THANK YOU!

新型コロナウィルス・パンディミックで、私の住むニューヨークは世界で最悪の感染の街になり、死者の数も最悪になった。ブロードウェイ劇場も映画館も閉鎖、近所の葬儀社の前には死体を置く冷凍車が置かれ、略奪・破壊行為が発生し、観光客の姿は消え、ホームレスが増えて、治安も悪くなり、私の仕事は超激減し、日本には帰れず、旅行もできず、春馬くんがこの世から旅立ってしまい、アメリカ大統領選挙もあり、内戦の噂もあり、辛いことばかりで、明るいニュースがなかった。

安達と黒沢が近所を歩いているような幻を見たような気もして、『チェリまほ』のおかげで辛い現実に直面していても妄想の夢の世界に耽溺できた。だから乗り切れた。最終回についてはいろいろ考えることがあったが全編通して素晴らしかった。「ありがとう!」を言いたい。

下記は英語版のコミックスの表紙。ドラマの方はアメリカでは現在6話まで放映されている。スマホの小さな画面で鑑賞していたが、自宅の大きなテレビで観ると画像が綺麗で詳細まで見えて嬉しい。

Variant(変異種)への水際防止作戦ということで日本への新規入国は来年の1月まで一時停止となった。2021年帰れるだろうか。

悲しんでもいられない。生き延びよう!

今日も明日もご無事で!

最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

『チェリまほ』🍒最終回感想。残念がいっぱいだった。クィアベイティング Queerbaiting」への4件のフィードバック

  1. チェリまほファンですが、最終回でガッカリきたクチです。
    ポイント押さられてて、クスっと笑えてすっごく面白かったです。
    私も最終回についてこれからブログにまとめたいと思ってるので、是非リンクさせてください。

  2. こんにちは(*´꒳`*)ブログ、楽しく拝見してます!ありがとうございます。

    映画のロミジュリ、昔すごく好きで何度も繰り返し観ていたので、思わずコメントしてしまいました。エンディングの歌が、頭から離れなかったな。。
    チェリまほ、終わってしまって寂しい年末です(p_-)

    コロナで先が見えない日々ですが、どうぞお気をつけて年末年始を過ごしてくださいね

    • meeさま

      コメントありがとうございます!
      “Kissing you” 私も同じです。
      レオはすっかり貫禄のある俳優になりましたね。

      コロナにもインフルエンザにも気をつけて!
      良いお年をお迎えください。

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