フレディが来たりて笛を吹く。

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病(やまい)は良くなったと診断されても、まだまだ薬は飲まなくてはならず、副作用に苦しむ日々。

ちなみに英語で副作用のことは、a side effect という。
副作用がひとつだけの場合で、ふたつ以上ある場合は、複数形になり、side effectsになる。

副作用という日本語より、英語の方が「副作用」の意味がぴったりしていると思う。
sideは「わき」とか「横」という意味があり、本来の目的より「わきにそれて影響しているよ〜的」なのを感じるからだ。

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週に1回、必ずうなされる悪夢を見るのである。
多くて週2回だ。
実際、薬の副作用としてnightmares(悪夢)とちゃんと説明書に書かれている。

ホラー映画やドラマの悪夢といえば、約束事のように、うなされ、胸をかきむしっている。
あれは単なる演出なのかと思うと、私も実際にしているのだ。

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夢の中で私は中学生だった。
教室内。
学校祭の準備でみんな忙しくしている。
みんなと言っても特定できる人物は登場していなかった。
とにかく制服を着用している生徒がたくさんいる。

私はおりがみを短冊に切り、輪っかをつなげたものを両手いっぱいに持っている。
「ここに置くね」と机の上に置こうと思ったが、手から離れない。
それに、「置くよ〜!置くからね〜」と叫んでも誰も私の方を見ない。
みんな楽しそうに作業をしている。

焦燥感と孤独感と孤立感に襲われている私。

鉄格子がドン私の前に天井から落ちて来て、同級生と私を隔離。
唖然としている間もなく、短冊の輪っかをつなげたものが突然重くなり、ぐるぐると私の体に巻き付く!!

「うぐぅぅぅぅぅ〜〜〜、あ〜〜〜く、く、ぐ、る、苦しいぃ〜〜〜〜」

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目が覚めた。
うめきながら、私は胸をかきむしっていた。

この程度の夢の内容は、悪夢ではないかもしれないが、
胸が苦しかった。
精神的にではなく肉体的に本当に痛くて苦しかった。

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悪夢といえば、映画『エルム街の悪夢』であ〜る。
1984年の公開以来、シリーズ7作が制作され、2010年にはリメイクもされたホラー映画不朽の名作だ。
A Nightmare on Elm Street
この映画を観てからしばらく、フレディーが出てくるんじゃないかと夜寝るのが怖かった。
それくらい衝撃的な内容だった。

私の中のフレディーは少なくても週1回は出現する。
困ったものだ。

どうせなら、うなされるよりも、悶(もだ)えたいものだ!
アハーーン!

fredy
『エルム街の悪夢』はまじで怖い映画だった!!

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実は、悪夢を見た夜、
母とスカイプで話した。

「メグミと同世代は大活躍しているけど、焦らずゆっくりすればいいよ」
と励まされた。

そして、母の言葉に反応して、夢を見て、胸をかきむしっている自分に起こされた。

子供のことも病気のことも現実として受け止め、ないものねだりはしていないつもりだった。
しかし、気にしていることに気がついた。
同世代と比べて悲観している己の姿が夢の中にしっかりあった。

私と同級生を隔離する鉄格子。
すっかり社会から取り残されてしまった。

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trash
ニューヨークの深夜のゴミ箱。私みたいだ。

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今夜はフレディが来ませんように!
おやすみなさい!