おはこんばんちは〜
先日は、ドイツ人の完璧シックスパックのイケメン、ベンジャミンくんについてお伝えした。後ろ姿もーーー、きゃぁーーーのお尻ぷりんぷりんである!
ストレート男性向けの世界的な有名な健康雑誌” MEN’S HEALTH”『メンズヘルス』にヨーロッパで初めてトランスマンのベンジャミンくんが登場し、歴史的な出来事としてニュースになった。ベンジャミンくんを知ったのは話題になったからではなく、ベンジャミンくんについて知る「きっかけ」があった。
東京在住のゲイ友NSくんが主催する上映会が3月下旬に新宿二丁目にあるコミュニティセンターaktaで開催された。テーマは『HIV/AIDS』。上映する作品をオンラインで観せてもらった。その一つの作品に、映像アーティスト、リース・アーンストによる「女性から男性になったルー・サリバン氏のインタビュー」をベースにしたアート映像があった。衝撃的でもあり、共感する部分も多々あり、胸が締め付けられるくらい悲しくもあり6分30秒という時間にいろんな気持ちになった。
ルー・サリバン氏のインタビュー映像がきっかけとなってトランスマンについて検索。そして、イケメンの2人、ベンジャミンくんやエイドリアンくんについて知ることになったのである。
こちらがRhys Ernst/リース・アーンストによる“Dear Lou Sullivan”『拝啓 ルー・サリバン様』である。
英語。日本語字幕なし。
NSくんからのご提供で日本語字幕付きの映像。
注意:GAYポルノも映像もオーバーラップするのでR18指定である。が、セクシャル的にキワドイシーンはない!
エイディアンくんは既婚者で妻がいる。ベンジャミンくんのインスタグラムを見ると同じ女性との親密な雰囲気漂う写真が公開されているので、妻かガールフレンドがいるのだろうと推測される。
女性から男性にトランジッションしてストレート男子になって女性を愛する!というのがTRANS MAN/トランスマン(FTM・女性から男性)なのだと私は思っていた。ルー・サリバン氏は、トランスマンになり、GAYになった!!
ルー・サリバン氏は、男の体になって男を愛して愛され、男として男とセックスをしたかった!その夢を叶えた。
私はルー・サリバン氏のことが大好きになった〜〜
ルー・サリバン氏は1951年生まれ(昭和26年生まれ)。女性として生まれたが、GAYマンになった。1991年(平成3年)に40歳の若さでAIDSで亡くなる。
ルー・サリバン氏がインタビューで言っていたことを書き出す。(超 意訳をお許しを 〜)。
「ジェンダークリニックでGAY MANになりたいと言ったら手術を拒否されました」
「睾丸一個をインプラント後、拒否反応からの回復後にHIVに感染しているということが分かったんです」
「AIDSは単にもうひとつの新しい問題という感じです。ずっと自分の体には問題があったから。AIDSとうまく付き合っていくという感じですかね」
「HIVに感染していも安全なセックスをしているので今は満足しています」
「私はずっとGAY MANになりたかったし、不可能だという反対意見もたくさんあった中、こうしてGAY MANとして生きて、GAYの病気であるAIDSになり、 私はGAY MANになったんです。成功しました」
トランスマンの活動家のルー・サリバン氏。晩年はFTM、ゲイコミュニティーのために働く。アイコン的存在である。
ルー・サリバン氏の年譜
ルー・サリバン・ソサエティーのサイトから。The Lou Sullivan Society http://www.lousullivansociety.org/
1951年 ウイスコン州のミルウォーキーで引越し屋さんを経営するカソリックの厳格な家庭の6人兄弟の次女として生まれる。
1973年(22歳) 男性の服装で生活を始める。活動家として記事を寄稿する。
1975年(24歳) サンフランシスコに移住する。
1979年(29歳) テストステロン服用開始
1980年(30歳) mastectomy/マステクトミー(乳房切除術)後、完全にGAYマンとして生きる!!
1986年(35歳) 4月 睾丸インプラント手術とクリトリス延長手術
1986年(35歳) 12月 HIVに感染していることが判明
1991年(39歳) AIDSによる病気のため永眠
ルー・サリバン氏の活動によってジェンダークリニックでは同性愛者になるために手術をすることは認めていなかったが、その条項が削除された!!!1980年にマステクトミー(乳房切除術)後、GAYマンを公言。初めての著書である”Information for the Female-to-Male Crossdresser and Transsexual”『FtoMのクロスドレッサーとトランスセクシャルのための情報』を上梓する。リース・アーンスト氏の映像に交錯している英文の本である。
GAYを公言してから亡くなるまでの10年間、彼は女性から男性になることについて記事を書き、サンフランスコでは人気の講演者になった。ゲイとレズビアンの歴史協会の創立者にもなり、ニュースレターの編集にも携わる。写植のビジネスも始めた。19世紀末から20世紀にかけて66歳の生涯のうち40年間は男として生きた女性 Jack B. Garland/ジャックB・ガーランドの伝記も出版した。
アマゾンで購入できる。ジャックB・ガーランドの伝記。ルー・サリバン氏著。
ゲイ友達にルー・サリバン氏のことを言った。その中のひとりのゲイ友の反応が「ストレートの女性のままで男とセックスした方が何の問題はなかったのではないか?」。それは無理解な意見のように思える。豊満な胸を吸われて揉まれるよりも平らで胸毛もある胸の小さな乳首を触れられて吸われたかったのだと思う。男として。性自認(セクシャルアイデンティー)は 男性なのだから。
「ルー・サリバン氏はTOP or BOTTOM? ペニスはあるの?」とはほとんどのゲイ友からの質問だった。検索調査の結果、映像作品のオリジナルのインタビューではクリトリスの延長手術と睾丸のインプラントをしたが、一つの方が拒否反応をしてしまい、しかもHIVに感染していることが判明したので、手術はしてもらえず睾丸が一個のままかもしれないと落胆。感染よりも手術してもらえないという方が問題だったが、手術してもらうことができて睾丸が二つになった。卵巣と子宮はそのままだが(hysterectomy/ヒステレクトミーはしてない)、生理はないので問題はない。ヴァジャイナ(女性器)もそのままであると語っている。
術後、体については何の疑問も持たれず、GAY GUYSによくある一夜だけの関係をGAY GUYと結ぶことができて嬉しいということも書き残している。サンフランシスコにスーツ姿のハンサムがいっぱいてドキドキするとも。その気持ち、よーーーく分かる!LOL
ところで、彼が言っていた違和感・・・とは、女性の体なのに男性を認識するという 違和感。その他に、ホルモンを服用しての副作用的な医学的な違和感もあると思うのだ。その点について、分かる気がする。「辛くてしんどい」体の変調には激しく共感する。
私はホルモンに関連する病気を患っている。手術も3回。今もホルモン剤を服用している。体調の悪い時は、蛇のような龍のような魔物が体内をぐるぐる回っている感覚に襲われる。頭が痛く、心が落ち込んで自分が死ぬことを想像してしまう。何もしたくない。脳内の太陽が遮断され、活動は停滞して、寝込む。元気な時でも下腹部は常に痛いので臓器である「子宮」の存在を意識している。
女性から男性になる( Female To Man/FTM )ためには、テストステロンなど男性ホルモンを服用し続けなければならない。卵巣を摘出したら骨がもろくなるなどのネガティヴな症状も出てくるので補填もしなくてはいけないだろう。手術は一回だけではなく数回行う。
手術は術後が辛い!!
ホルモン服用は体内と脳内にぐるぐると魔物がうごめく。うううううう〜
「自分が認識ている本当の体になる!!」という希望と目標があるからエモーショナリーにもメンタリー的にも乗り切れるのかもしれないが、きっと肉体的には辛いに違いない。
GAY世界ではGAYトラスマンを歓迎しない声もあるらしい。医学の発展でGAYトランスマンの人数も増えた。「自分はGAYだと思っていたのにヴァジャイナ(女性器)のあるトランスマンの彼が好き!でもボクはペニスが好きなGAYなはずなんだけど・・・」
と悩むGAY GUYもいる。そんな彼に心理セラピストはこうアドバイスするという。「セクシャリティーは白か黒かという二者選択というのはなくオーバラップする(重なる)部分があってもなんなら問題はない」。
“Dear Lou Sullivan”『拝啓 ルー・サリバン様』を制作したリース・アーンストもトランスマンだ。パートナーのザッカリー・ドラッカーはトランスウーマン(男の性から女の性へ)。カップルでトランジッションする日々を捉えた写真スライド作品を発表した。2014年、ニューヨークのホイットニー美術館で展示された。
性別をトランジッションしたカップルもいるのである。
セクシャリティーは男女のヘテロセクシャル(異性愛)だけでなく、それにLGBTのカテゴリーに縛られない、LGBTの象徴であるレインボーカラーの七色以上にいろいろな色があるだと改めて思った。
ところで、QAFのジャスティンではなくLOL、ニューヨークでの初めてのゲイ友ジャスティンに「GAY GUYが(私の)中にいるんだよ」と言われたことがあった。
ジャスティンの発言で、ぼんやりと思っていたことが明確になった感じだった。確かにいる!いる!いる!いる!!と思った。腐女子にある「心のちんこ」の存在を最近教えていただいた。その時も、はっきりと意識していなかったことがクリアになった感じだった。ある!ある!ある!
社会的に女性よりも優位である男性になればやりたいことが達成できるような気がして、そういう意味では男になりたいと思ったことはある。それに、生理痛が酷いので、同じ生殖活動なのに全く痛みを感じない、しかも気持ちいいという射精をする男性に生まれれば良かったと思ったことは何百万回もある。性自認(セクシャルアイディンティー)は男だとは思ったことはない。
しかし、GAY GUYメグトは心の中にいる。
ジャスティンと!GAY MAN INSIDE MEを指摘してくれた!私も若かったな(ぼそ)ジャスティンとカールくんは偶然にも同じ歳だ!
ルー・サリバン氏の言葉を思い出しては切なくなり、涙も出る。
「GAYの病気であるAIDSになり、 私は本当のGAY MANになりました。成功しました」。
彼が亡くなってから25年の歳月が流れ、HIVに感染してもAIDSを発症することなく死に直結する病気ではなくなり、服用すればHIVに感染しない薬Prepもある。
リリーが亡くなってから85年が経ち、医学はめざましく発達し、現在でも手術は危険は伴うが、性適合手術もホルモン治療もはるかに進歩している。
新たな世界を見せてくれたNSくんに感謝である。固定観念に捉われると見えないものがたくさんがあるんだと気付かされた。彼の意識の高さにはいつも驚く。
トランスマンの季刊誌である”Original Pluming”の表紙はルー・サリバン氏。トランスマンのパイオニアでヒーローである彼の特集号。2013年春季発行。穏やかでやさしい人柄ではないかと表情から想像する。