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元妻の再婚と贖罪

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二度とLAには行かないと思わせたルームメイト氏とは変わらず、メールとテキストで毎日連絡している。
しかし、もう二度と会うことはないんだろうなぁとは思っている。
冷めた態度で連絡をしているのが現状だ。

結婚式に招待されたら行くかもしれないが、これまでのようにわざわざ時間を作って
ルームメイト氏に会いにLAに行くことはないだろうし、彼もニューヨークに来る、来ると言って結局、
来ないし、私がいるからニューヨークに来るというのは全くもって彼の動機にはならないんだろうなぁと思うとなんだか悲しくもなるので、敢えて考えないようにしている。

ところで、ルームメイト氏の妻が最近再婚したという。
ルームメイト氏の元妻の大学時代の男友達で、セクシャリティーはゲイがルームメイト氏に教えてくれたという。
元妻のゲイの男友達とはFACEBOOKを通じて再会(実際にはまだ会ってはいないが)したということだ。

ルームメイト氏から長いメールが来た。
元妻に何かしたいのだけれど、どれがいいだろうかというものだった。

1 元妻の両親の住所に手紙を出す。
2 FACEBOOKを通じて元妻の妹へメールを送る。
3 結婚のお祝いギフトをメッセージをつけて送る。
4 新住所を探して手紙を送る。
5 手紙を書くが、送らない。

私は5がいいと返事をした。

再婚したわけで、元妻の両親は手紙を受け取っても娘を不幸にした元義理の息子からの手紙は絶対渡さないだろうし、
ということで1は却下。
妹もメッセージをもらっても困るだけで(2も却下、)元夫から結婚祝いをもらっても絶対捨てるだろうし、それに新しい旦那さんも気分は良くないだろうし、これはとんでもない考えだ。
ましてや再スタートを切った新居に手紙が来ても元妻としてはストーカーみたいで気味が悪いと思う。
手紙を書くが、送らず、送るとしてもルームメイト氏が70歳とか老人になった時に送るべきだと私は返事をした。

夫がゲイだと分かって、即効家を出て、即効離婚手続きをした元妻は、以前の仕事も辞めて、どこに住んでいるかも全く知らせず、ルームメイト氏から完全に姿を消した。
しかし、ルームメイト氏はワシントンDCに引っ越したことを突き止めたらしいが、LAとは全く反対の東部に移り住んだということで、彼女のルームメイト氏を断ち切りたいという想いがひしひしと伝わってくるのは私だけはないはずだ。

ルームメイト氏は私が選んだ5は、選びたくないという返事が来た。
ギフト券を買って手紙とともに送りたいと言っている。
マドンナも信仰している宗教を彼も信仰しているのだが、その担当指導者に「お詫びの手紙」を書きたいと言ったら、
それは良いアイディアだと言ってくれたので、そうしたいと言っている。

「お詫びの手紙」?
なにそれ?

幸せにできなくて、ごめんなさい。
ゲイでごめんなさい。
ゲイって知っていたのに、嘘をついて結婚したことを許してください。
結婚している時に他の男の人と浮気をしていてごめんなさい。

・・・とでも書くのだろうか。

そんな手紙をもらっても妻は不快になるだけだと思う。
許すとか許さないとかそういう問題ではないと思う。
再婚したから、嫌な思い出が薄れることはあっても過去の嫌なことが忘れられるわけではない。

しかし、お詫びの手紙を書き送ることは元妻のためではなく、自分の贖罪のためにルームメイト氏はしたいのだ。
宗教の担当指導者そして私以外にもいろんな人に意見をルームメイト氏は聞いている。
それは、意見に耳を傾け、選択するのではなく、
「お祝いをあげて、お祝いとお詫びの手紙を書く」という自分のしたいことを支持してくれる人を探すためだと思う。

占いと同じだ。
自分ではほぼどうしたいかが決まっているのだけど、それを裏付ける後押しを誰かにされたいから、
占いに行くのである。

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ところで、元妻の結婚を知らせた元妻のゲイの男友達は大学生だった10年前にルームメイト氏を元妻から紹介されて、心をときめかせたという。
それで近々2人はデートする。
ルームメイト氏はスゴくそれを楽しみにしていて、もしかしたら元妻のゲイの男友達が生涯の伴侶になるかもと期待にかなり胸を膨らませている。
もしもうまく行って、元妻がそれを知ったら、どう思うだろうか?と心配のメールも送って来たが、
「気にしなくていいじゃない」と返事をすると「そうだよね」と喜んでいた。

結局はデートをするようにと背中を押してくれる意見が欲しいだけなのだ。

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ルームメイト氏に対して冷めた目で見てしまう私の気持ちを理解していただけるだろうか。
恋は盲目とはよく言った。
私もこんな人を子供の父親に選ばなくて本当に良かったと心から思える。
人間誰しも自己中心なのだが、非常にそれが強いのが私の彼への疑問と冷たい態度になってしまう原因だと思う。

ところで、元妻は親友もゲイだし、ゲイメンを引きつける魅力がある人のようだが、再婚相手がストレートの男性であることを私は心から祈っている。

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お母さんのお兄さん家族もカリフォルニア州に住んでいるのだが(ハンガリーから移民)、お母さんはルームメイト氏がゲイだから、絶対おじさん家族には会いに行ってはいけないと禁止令が下っていることを教えてくれた。だからいとこにも会えない。そういう家族の背景があるからこそ、つまり宗教的なことで普通にホモフォビアな家庭で育ったから、家族の期待のために自分自身も妻も騙して結婚したことは仕方なかったと理解できる。

いい加減、元妻への罪の意識は忘れて、前に進めばいいのにと思う。
黙って見守るのも愛だと思うが、文化的宗教的な違いなのか、許しを乞ってすぐに罪をあがないたいのだと思う。