二度とあなたには会いません・・・は言えなかった・・・

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ルームメイト氏のことは好きでもなんでもないし、ゲイ友のひとりだし、こういうのを見てもなんても思わない・・・と心を落ち着かせようと自分に言い聞かせたが、それこそ私の足下で(私はプールサイドにいて、彼は足下のすぐ側のプールの中にいる)それもしっかり見える位置にいて、抱き合ってキスしているのを直視出来る心境にはならなかった。

ルームメイト氏はキスを止めて私に「大丈夫?帰ろうか?」と声を掛けて来たが、
お楽しみを邪魔する無粋者と思われたくない気持ちもあって
「私は大丈夫。ゆっくり楽しんで」と言ったが、この言葉の調子に「帰ろう!」という意味を込めたのだが
彼はそのまま受け取ったようで、キスは続行されていた。

プールの側から離れて玄関の方の噴水に走った。

ゲイ・プール・パーティーが開催されている家は、いわゆる豪邸の部類に入り、玄関には車寄せがあり、趣味のわるい噴水があった。

「あーーーーーーーーーーーーーっ」と叫んで、泣いた。
DJもいてダンスミュージックもがんがん流れて、かつ噴水の水の音で私の叫び声と泣き声は誰にも聞こえない。
人前で泣いたりしたらみっともないという理性がちゃんと働いていた。
ジャスティンは彼氏とパームスプリングに休暇に出掛けていた。
邪魔をしては悪いとは思ったが、どうしてもジャスティンに言わないと崩れてしまいそうだった。
呼び出し音がむなしく鳴るだけだった。
ジャスティン・・・電話に出てよ・・・
しかし、ジャスティンは電話には出なかった。

ジャスティンにメッセージを残したが、泣きながらでジャスティンは何を言っていたか分からなかったかもしれない。

「ジャスティ〜ン、ル、ル、ルームメイト氏とゲイのプールパーティーに来たんだけど、うっげげげっげ〜、えーーん、また私を無視して、あっげーーーーん、出会った男とキスして抱き合って、あっははええええーーん、いちゃいちゃしているのよ。帰りたいけど帰れないし。なんで、一緒にまた遊んでしまったのか、うぐぁ〜〜〜〜〜ん。
かつては彼の子供を産もうとした女性に対してリスペクト・・・うっぐぐぐぅ〜〜、なさ過ぎ・・・」

車さえ運転できれば、ここがニューヨークならば、この最悪の状況から逃げ出せるのに。
できない。
ただ我慢しているだけ。

ルームメイト氏の友達も誰かとジャクジーでいちゃいちゃしていた。
そしてジャクジーから出て来て、「私に飲み物を取ってきて〜」と命令口調で言った。

実はそれにもぶち切れて「私はあなたのメイドじゃない。自分で取って来てよ」と言って無視した。
かなり感じが悪い女であるが、「今日初めて会ったアンタにどうして飲み物を取ってあげなきゃいけないの?」
いちゃいちゃするために飲み物を取りに行く時間を節約したいのである。
「飲み物を取ってきてあげようか?」それを言うのがゲイメンでも男としての女性への礼儀ではないだろうか。
ルームメイト氏の最悪な友達・・・!

それもジャスティンへの留守電のメッセージを残した。

***

噴水付近で深呼吸をしていると、ルームメイト氏が来た。
「いなくなったから心配したわよ」と慌ててTシャツを着たのが分かった。
濡れていたからだ。
「帰りたい」
「分かった、帰ろう」とルームメイト氏が言ってくれたのは本当に嬉しかった。
するとさっきプールの中でいちゃいちゃしていた男がやってきて、背の低い不細工な男だった。
「帰っちゃうの?」とルームメイト氏に言った。
「そう、彼女が帰りたいって言っているし」
「ロマンティックな時間を邪魔してごめんね〜」とキツい口調で醜男に言うと、
醜男は「本当に邪魔してくれたわね〜」と言い返して来た。
バスタオルを腰でなく胸で巻いているような気色悪いゲイだった。

ルームメイト氏がハンサムな男性といちゃついていたならまだしも、こんな醜男で、バスタオルを胸で巻いているような
男を選んだという事で私の怒りが更に爆発。
「うるさい。二度とアンタとは会わないし、見たくもないから、あっちに行って」
と普段の私から到底想像できない激しい言葉が口から出て、小学生以来の「ふん」をした。

醜男はどこかに消えた。

「ルームメイト氏、あんなの好きなの?」
「まーね。もやもや〜するね〜」
本当にこの人は男の趣味が悪いと思った。

「友達がもっといたいって言っているのね〜」
「もう帰らないと私、朝、早いから〜」
「分かったわ。帰るように説得する」

ルームメイト氏はプールの方に戻り、友達を連れて噴水まで来た。
友達は相当酔っていた。
やっと帰ることになった。
時間は深夜を既にまわっていた。

ルームメイト氏の車に乗ろうとした時に、酔っぱらい友達が、
呂律が回っていなかったが、「飲み物持って〜きてくれなかったなぁ〜」というような内容を言っていた。

押さえておこうと思ったその夜の気持ちが、その言葉が引き金になって噴出。
大声で泣いてしまった。

「私、メイドじゃない。アンタに飲みのをサーヴするためにニューヨークから来たんじゃない・・・」

「分かった、分かった、落ち着くまでそっとしておくから」とルームメイト氏と友達はしばらく車の外に出た。
本当は抱き締めて慰めて欲しかったのだが、彼はまたしても私を放置して出て行ってしまった。

***

しばらくして、ルームメイト氏と友達が車に乗り、LAに向けて車を発進した。
「大丈夫?」とルームメイト氏。
「ううん。大丈夫じゃない。最悪のパーティーだった。二度とLAには来ない」と言った。

「今回のLAは楽しむのが目的じゃないんだから、そんなに楽しまなくてもいいんじゃない。
それに毎回、楽しみを提供するなんて無理」とルームメイト氏は言った。
そんなこと言うの?と驚きだった。

「私といるよりジャスティンといた方が楽しんでしょう?」
「ジャスティンやカールくんといた方がとっても楽しい。ルームメイト氏といるとつまんない。カールくんもそう言っていた」
「私がオンラインの広告を書いたから、メグミと会えたのに、全然感謝してくれずに、嫌われるなんてね〜」
「つまらないんだから仕方がない」と私はひたすら「アンタはつまらい」「カールくんもヨーハンもフランクもみんなそう言っている」を連発。

***

「去年、LAに来た時、アナタが精神的に落ち込んで泣いたりした時、サポートしたのに、それも忘れているの?」

「その時は感謝しているけどソレとコレとは別。人がいちゃいちゃしているのを見てるほどつまらないものはないわ。
一緒にストレートのバーに行って私がルームメイト氏を放ってストレートの男といちゃいちゃするなんて絶対しない。
それは礼儀だと思うから・・・」と言うと、
「彼氏と別れたばかりで落ち込んでいて、プールパーティーで誰かと知り合って、良かったねと友達だったら思うはずよ。目の前にかわいい男のがいて無視するなんて無理よ」
とルームメイト氏。

「女性と結婚生活も含めて7年も一緒にいたのに少しは女性の気持ちが分かるかと思ったら全然分からないのね」
と嫌味を言う。
「女性は行間を読んで欲しいと言うけど、ゲイだけど男だから言われた通りを理解するのよ。言葉の裏とか行間は読めない。それを要求されても困るわ」と結局は男だからを主張。

***

30分間、友達を無視して、2人で言い合いをした。
しかし、この人に話しても通じないと思ったし、彼も私に何を話しても通じないと思ったに違いない。
お互いお互いに求めているものが違う。

私はルームメイト氏に、誰よりも大切にして欲しい・・・と思っている。
ルームメイト氏は私に、理解のある女友だちでいて欲しい・・・と思っている。

***

私はホテルに滞在していたので、ルームメイト氏がホテルまで送ってくれた。
別れ際に、あなたには二度と会いたくありません・・・を言いたかったが、言えなかった。
だから、「二度とLAには来ない」と言って車を降りた。
(行間を読んでくれるかは不明)
いつもなら振り返って手を振るが、振り返らなかった。

二度とあなたには会いません・・・は言えなかった・・・」への4件のフィードバック

  1. 恵さん、
    どうか、ご自分をもっともっと愛してあげてください。ご自分をしっかり抱きしめてあげてください。大丈夫だよ、と傷ついたご自分を許してあげてください。早く悪い夢から醒めますように。

  2. うぅぅぅぅぅぅぅぅ、切ない。。。
    やっぱり男性に女心は分かんないのかな。

    だけど、私もめぐたんと似た習性がありまして、例え酷いことされてても、また別の機会に会って楽しかったら、その酷いことされた気持より、楽しい時の気持が勝っちゃって、結局また同じことされたりするんですよね。。。
    一番いいのは、会わない。連絡取らない。だったりするんだけど。

    • momoたん

      楽しい時の気持ちが勝る!!
      momoたんの言う通りでござんす!
      コメントをいただき、あっ!これって私の気持ちだと分かることが多々あり、いつもありがとう!

      する相手はこっちが傷ついているなんて分からないから、
      同じことされる・・・。
      えーーん

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