6

苦しんだ相手はあなたひとりだけいい。

<br /> TitleDPNY.jpg

***

先週の週末はビルのお宅のホームパーティーに行った。

ビルとは近所の場末のゲイバーで再会したことは先日、報告した通りだ。
ビルは場末のゲイバーで彼が最近デートしている日本男児マリ太青年(仮名)を紹介してくれた。
そしてマリ太青年は彼の友達で、ゲイ日本男児センくんを紹介してくれた。
マリ太青年ともセンくんとも電話番号を交換し、ともに「メグミさん」と呼んでくれる。
一気に日本人のゲイガイズの知り合いが2人増えて、カケル青年を含めて3人のゲイ日本男児とお友達になった。

ビル主催のパーティーにカケル青年と一緒に行った。
カケル青年は日本男児のゲイガイズに会うことに緊張していると言っていた。
カケル青年にマリ太青年とセンくんを紹介!
事前にビルとマリ太青年はデートしている関係であることを告げていた。
愛憎関係がもつれるのを防ぐためである。
3人すぐに仲良くなって嬉しくなる。

ビルのアパートは2つのベットルームと大きなリンビングルームがある。
彼のルームメイトは黒人のゲイガイ、マイクだ。
パーティーにはストレート男女、ゲイガイズ、バイの男と総勢30名と終始賑やかだった。

***

深夜0時過ぎ、ビルのアパートを後にして、近所のゲイバーでも場末ではない方、URGEに3人の日本男児と行く。
ニューヨークで日本男児のゲイガイズとゲイバーに行く!とは夢にも思っていなかったので、
この状況に驚きつつ、夢かしら?とほっぺをつねってみる。
夢じゃないとジーンと感動する!

***

バーカウンターに座っていた美青年が私に話しかけて来た。
「ボク、マルコス。キミは?」
私も時分の名前を名乗る。
スペインはマドリッドの出身で、お父さんがスペイン人でお母さんが日本人というミックスという。

そして彼は驚くべき行動に出た!!!
「なんてキミは美しいんだぁ〜」と抱き締められ、私のくちびるを奪ったのである!!!

ビルのパーティーでワイン1本は飲んでいたので、彼の求めに応対(つまり、舌を入れ返し、からめる)
してしまった。それも何度も何度も何度も。
激しく、情熱的な接吻だった。

しかし、はっ!と思った!
私を美しいという時点で彼が相当酔っているか?
バーが暗いのではっきり見えない鳥目なのではないか?

ゲイバーの挨拶として、セクシャリティーをまず聞くという作法がある。

「アナタ、ストレート?ゲイ?」とクチビルを離し、その美青年に聞く。
「ストレートだよ」
「えっ?ホント? じゃ、ゲイの友達と来ているの?」
時々、ストレート・ガイがゲイ友に連れられてゲイバーに来てることがある。

「ううん、1人で来ている」
「ストレートが何で1人でゲイバーに来ているの?」と突っ込む。

「う〜ん。ちょっと迷っていて・・・(ストレートかゲイか)」
「なぁ〜〜んだ!あなたはゲイよ!ゲイ!ストレートの男は迷ったりしないから、迷いがある時点で
あなたはゲイよ」と断言する私。
「いや、ボクはストレートだよ!」と黒い瞳で私をジーッと見つめる。

「キミは美しいぃ〜」と再び言われて、またクチビルを奪われる。

彼の唾液は甘く、蜜のようだった。
「おいしい」というのは、まさにこのことだと身を以て知り、
ミツバチが花の蜜を求めるように、犬が他の犬のお尻を嗅ぐ様に、
彼の口に舌に、彼の唾液に吸い寄せられるように吸い付く私。
こういう状況を「むしゃぶりつく」というのだろう。

大混雑するゲイバーで、しかも日本男児が3人が横にいるという状況で
女の私が「ボクってゲイかも??と迷っているスペインとハポンのミックスの美青年」とフレンチキスをしているということに興奮しつつも、彼のキスに溺れる。
しかし、これはゲイバーでする適切な行為ではないと彼のクチビルから泣く泣く離れる。
場所をわきまえないいけない。
性欲に流されてはいけないのだ。
空気を読まないといけない。

「マルコス、いくつなの?」
「26歳」
きゃぁ〜若い!
ゲイバーが暗くて良かった(笑)!!

***

「メグミさん、モテていましたね〜」とカケル青年に冷やかされ、
「いやぁ〜ん、からかわないで」とわざと身をくねらせたのだが、そのくねらせた方向に
スペインとハポンのミックスの青年マルコスくんが男とぶちゅーとキスをしているのが目に入った。
「やっぱり、ゲイなんじゃん」と思いつつも、心が痛く非常に悲しかった。
しかし、長身でハンサムなマルコスくんが男と口づけをしている姿は
ルネサンスの絵画のように美しかった。
痛みで更に美しさが研ぎすまされる。

***

その夜は、「ボクってゲイかも???と迷っているスペインとハポンのミックスの美青年マルコス」が私のところに来てディープなキスをしては、他の別々の男に行きキスして、また私の所に来てキスして別の男に行く・・・というのが閉店まで続いた。
酔っている脳でこんなにハンサムならば男に走りつつ、私も来る彼を愛せるかもしれないと思う。

私が迷っている青年に翻弄されている間、白人のお兄様がカケル青年のズボンのお尻部分から手を入れられながら、カケル青年は故郷日本を思い出しマリ太青年に抱きつき彼の首筋にキス攻撃をし、センくんも離れた場所で知り合った白人男性と楽しそうに話していた。

「ボクってゲイかも???と迷っているスペインとハポンのミックスの美青年マルコス」と電話番号を交換した。
彼は「明日、明日、ボクとデートして〜」と言って彼はバーを後にした。
男と一緒だったのかは確認できなかった。

***

翌日、「ボクってゲイかも???と迷っているスペインとハポンのミックスの美青年マルコス」
からの電話を待っていた。

もしかしてセックス!?
いやぁ〜ん!
こんなこととか、あんなこともしちゃう!?
セックスしたら、ルームメイト氏には秘密にして、カール君には言おう!
と、あれこれ想定する。

しかし、「ボクってゲイかも???と迷っているスペインとハポンのミックスの美青年マルコス」からは
掛かってこなかった・・・。

ゲイかも?って迷っている美青年と例えデートしても、彼はゲイ!女には恋愛感情は抱けない!
という結論で幕が引かれ、
また泣くのは目に見えている。
セックスをしたら心まで持っていかれ、好きになってしまうのは予想がつく。
良いのか悪いのはさておき遊びではセックスできない・・・。

だから、電話がなくて良かったのである。
私から掛けるつもりもない。
その日もルームメイト氏からテキストが来た。
苦しんだ相手はあなたひとりだけいいと思った。

***

「ボクってゲイかも???と迷っているスペインとハポンのミックスの美青年マルコス」の唾液は
これまでキスした誰よりも甘くて、おいしかった!!