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ヘテロの世界の定規では測りれきれない異性の存在

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そんなに子供が欲しければまた女を騙して結婚すればいい。
レズビアン・カップルと交渉すればいい。
私のことはその件から放って欲しいと思っていると、ルームメイト氏から今度はテキストが来た。

「ずっとメグミのことを怒っていることなんかできない。
カールが登場して捨てられたと思ったけど、そうじゃないと分かったし、
キミにとって最良な方法を選べばいいと思う」

次にメールがきた。
「メグミにとってベストな方法を選べばいいし、どんなことであれ、私はサポートしたいと
思っている。それが友達としてできることだから。

カールについては、連絡が来ないと不満を言っていたから、
父親として選ぶほど、近い間柄とは考えてもいなかったけど、
今のキミにとって一番親しいゲイというのは分かった。
彼と出会ったきっかけは私が書いたオンラインの広告。
きっかけを手助けしただけでも私は嬉しいと思っているし、
それを忘れて欲しくない。

いつかカールに会いたい。
お医者さんのパートナーを持つのが私の夢だからね~。
カールに私が会いたがっていることを伝えてください。

LAから愛と抱擁を送ります」

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最後の締めくくりは、「お医者さんのパートナーを持つのが夢だから、
カールを紹介してね!」だった・・・。

結局、行き着くところはソコじゃない!
父親になるために努力するとか、そういうことで私を説得するのではなく、恋や愛を選ぶ!
怒るどころか、笑いさえ出てしまった。
ハハハ~!!

「キミが母親になりたいのなら、ボクはキミのために、努力は惜しまない・・・。
協力するから・・・」などと、もっと積極的にそれも必死に言ってくれたら、
明日から不妊治療を始めるだろう。

しかし、そうは思ってもくれないし、説得も努力もしてくれないルームメイト氏。
それはゲイである彼にとって、私が恋愛の対象ではない女だからだ。

疑問 (どうして愛してくれないの?)→結論(彼はゲイで私は女だから)、
疑問→結論、 疑問→結論・・・・。

堂々巡りのぐるぐるが回転する。
私なりにピリオドを打ったはずなのに、またもやぐるぐると回転している。

もう、いい。
回転しなくていい。
もう、いい。

そう、結局はルームメイト氏は愛を探しているゲイ。

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笑ったら、ルームメイト氏への嫌悪感は消えた。
ルームメイト氏が送ってくれた結婚披露宴の写真を再び見る。

結婚披露宴では舞台の小道具になった気分で周りの華やかさとは裏腹に落ち込み、
ゲイである自分を完全否定して幸せな花婿を演じていることから逃げ出したいが、もう後戻りはできないと
激しく悲しんだと語ってくれたルームメイト氏。
でも、今ではこの経験ができて本当に良かったとメールには書いてあった。

写真を送って来た理由は、子供のことを考えると連想で妻のことが思い浮かび、そして現在の自分を見つめる
きっかけになるのではないだろうか。
「自分は立ち直って大丈夫なんだよ」と己に言い聞かせるために私に送ってきたのかもしれない。
元妻との3年間の結婚生活で子供が授かるようにと夫婦で努力したが叶わず、不妊治療の専門医も訪れた経緯もあり、
子供=元妻との思い出になるのは必然なのかもしれない。

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落ち着いてテキストやメールを読み返し、今回の騒動を考えてみた。
ルームメイト氏は、私が精子ドナーとして選ぶくらい、カールくんがメグミ・ゲイガイ・ランキングNo.1の
座に輝いた!と思い込んで悲しかった・・・ということが発端ではないかと思う。
父親になれない悲しみではなく、No.1から落ちた・・・ということで悲嘆にくれたのだと思われる。
まぁ、私の勝手な解釈ではあるが・・・(笑)。

生物学的に恋愛の対象にはならないが、そこまで思ってくれて、長いメールもくれて、
電話も無視という思いっきりの意思表示をしてくれるというヘテロの世界の定規では
測れきれない異性の存在が同じ大陸の端にいる・・・大切にしなくてはいけないなぁと思った。

あっ、そういえば、ジャスティンは?
最近、連絡が途絶えている。

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ルームメイト氏との毎日テキスト&メール交換の日々は復活している。