まるで路上にポイッっと捨てられるゴミみたいに扱われて酷すぎます!

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ルームメイト氏から「赤ちゃんのことは諦めたの?それとも継続なの?」というメールが来た。
カールくんの悪影響で、と彼のせいにしているが実際、彼と過ごすと大変楽しいので、お酒も飲み始め、
夫(及び我が子の父親)候補を必死で探すというよりはゲイのお友達を作ることに情熱を燃やし、
かつ夜遊びに精を出している今日この頃で、「明るい家族計画」とかけ離れた状況にいるが、
それでも頭の中ではいつも「チクタク・チクタクと鳴っている体内時計」を意識し、「生物として機能する期間の終焉」が訪れるのをいつも恐れ、そしていつも子供のことを考えている。

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「やっちゃった!できちゃった!」にはならない私の体の状況で、
健康な人ならば通らなくてもいい道を通らなければならず、まずは手術を受けなければならない。
その手術のことを考えると気が重い。
これまで2回も手術を受けているから想像でなく経験から大変なことが分かっているからだ。
検査もやっかいだし、術後も非常に辛い。
しかし、以前は、そんな困難を乗り切り、子供が欲しい!ルームメイト氏の子供がと思ったが今はそうでもない。

でも、知人の女性が赤ちゃんを産み、彼女の赤ちゃんを見たらとむくむくと母性が湧いて来た。
育てたい・・・と思うのは本能なのかもしれない。
彼女は旦那さんがいて、家族もニューヨーク近郊にいる。
そしてバリバリ働いている働くママだ。

私が子供を持つとしたらシングルマザーになることを伝えているのだが、
「シングルマザーは大変よ!お金があってナニーやベビーシッターが雇えるのならいいけど、
全てをひとりでするなんて無理よ。赤ちゃんは想像以上に手が掛かるんだから!」と助言をもらった。

日本にいる年老いた両親だけが私の家族だ。
もし赤ちゃんが生まれることになったら、両親にニューヨークに来て手伝ってとは言えないし、
かと言って日本に帰るつもりもない。

遠くのルームメイト氏を父親に選んだ場合、お金はある程度出してくれるかもしれないが、
彼は手伝いには来てくれないだろうと思う。
もし来たとしてもタイラーが一緒だったら非常に嫌だし、
それに私もロサンジェルスに引っ越すつもりもない。
ルームメイト氏の妻にはなれないのだから、生活を変えてまでLAに引っ越すのは嫌なのである。

じゃ同じマンハッタンに住むカールくんだったらどうだろう???
私が忙しい時に電話一本で来てくれて、子守りをしてくれそうだし、我が子だったら尚更何かと
面倒を見てくれそうな気がする。

・・・と、以上のことから私はルームメイト氏の返事にこう書いた。
「多分、来年ぐらいに手術をして、体外受精の準備をしようと思います。
精子の提供者はカールくんがいいかなぁ〜と今のところ思っていま〜す」

するとルームメイト氏から長い長いメールが送られて来た。
「まだ知り合ったばかりのカールをどうして選ぶの?
私は傷つきました。
まるで路上にポイッっと捨てられるゴミみたいに扱われて酷すぎます・・・」
という私が自己中心的な人間で、自分がとっても傷ついたことが繰り返し繰り返し書かれていた。

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ルームメイト氏からのメールを読んで、彼のことが鬱陶しいと思った。
それに私と今まで連絡を取ってきたのは友達だと思って大切にしてくれたのではなく、
自分の子供を産んでくれるかもしれない女性だから、という利害だけの臭いがプンプン漂ってきて嫌な気分になった。

ルームメイト氏と会ったのはたった4回だ。
カールくんは短期間とはいえ、知り合って2ヶ月以上経っている。
ルームメイト氏と会った回数以上に会っている。

でも、カールくんとはセックスはしていないし、
ルームメイト氏のように恋い焦がれた気持ちにはなっていないし、
恋心は抱きそうだったが今後抱かないという自信もある。

精子提供者になって欲しいと言ったらカールくんはなってくれるだろと思う。
そういう話は一度もしたことはないが。

同じマンハッタンに住んでいるので、私の不妊治療にも簡単に来られる。
アイビーリーグの医学部卒なので彼に似れば頭の良い子供ができるかもしれない。
また長身なので彼に似れば背が高くなるだろう。
恋心を抱いたことがない分、友達として距離感があるので彼の男関係に嫉妬することもない。
それに彼は医師なので何かとアドバイスがもらえるかもしれないという極めて愛だの恋だのを無視した
実益だけで、それもふと思った気軽な返事だったのにルームメイト氏の反応は私にとって極めて異常だった。

***

ルームメイト氏との間に子供が授かったりしても、彼にパートナーができたら、
子供を渡すようにと言ってくるかもしれないし、
都合の良い時だけ、会いに来たり、お金はくれずにケチな父親になって、子供を利用したりするに違いない
・・・と段々、疑心暗鬼になってきた。

テキストにも「傷ついた・・・」というメッセージが何度も送られてきて、「いい加減にして欲しい」と怒りすら込み上げてきた。
「何が傷ついたよ!男とデートしまくってセックスしまくってるくせに!」
とロジカルな反応ではないとが思いつつも、そう思えてはらわたが煮えくりかえる。
我慢がならず電話を掛けるが、ルームメイト氏は電話を取らなかった。

「傷つけてごめんなさい。電話をください。」
と怒りをぶつけたい気持ちを抑え、謝りのメッセージを残したが、
彼から電話はかかってこなかった。

(つづく)

まるで路上にポイッっと捨てられるゴミみたいに扱われて酷すぎます!」への2件のフィードバック

  1. かかしさんの言うこと・・・当たっているような気がします。
    私って無骨な人間なのか、わがままなのか人の気持ちが分からない時があり、
    ルームメイト氏の気持ちはかかしさんが言っていることなのかもしれません。

  2. 荒れ模様ですね。
    めぐみさんが自分の命につながる子供をのぞむように、
    ルームメイト氏も自分の子供がほしいのだと思います。
    でも、利害の一致だけではないと思うのですが。
    自分の子供を生みたい、
    そう思ってくれるほど自分を大切に感じてくれる人がいる、
    ということがルームメイト氏にとって
    重みのあることだったのではないでしょうか。
    「捨てられた」という反応は、
    自分の気持ちを受け止めてもらえなかった、
    自分の存在がそこまで意味を持っていなかった、
    そういう風に解釈されたことへの
    思いのうねりなのかもしれません。

    生んで、育てるのはめぐみさんですから
    めぐみさんが望むようにすればいいと思います。

    遠く離れていても毎日メールやテキストを送りあうほどに
    相手のことを思うというのも
    たいしたことのように感じます。

    ですから、気持ちの上でルームメイト氏を切り捨てたのではない
    ということが伝わるといいですね。

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