ルームメイト氏からの白い封筒 その1

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メールボックスを開けると白封筒が入っていた。
見た目にも手触りでも封筒の中がぷちぷち仕様になっている封筒だった。
差出人を見ると、ルームメイト氏だった。

そういえば、ルームメイト氏が真剣にレクチャーを聞きに行っている某マドンナも信じている宗教に
関する本を私に送るから読んで欲しい、住所を教えて〜とメールが来たのを思い出した。
ルームメイト氏は良くも悪くもどちらにもに言えるが、「信じる者は救われる」状態になっている。

正直な気持ち、積極的に本を読もうとは思えなかった。
ま、時間があった時にでも読もうかなぁ〜と思ったので、直ぐに封をあけずに、コーヒーテーブルの上に置いて
友達と映画を観る約束があったので出掛けた。

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恋する気持ちがないとこうも変わるのかと自分でも思うが、
これが2ヶ月前だったら、直ぐに封を開けて彼が何を送って来たか、すぐに確かめたはずだ。
その前に、封筒を手に取ったら、封筒を抱き締めて妄想の彼を抱き締めている気分になっていただろう。
手書きの宛名を指でなぞったり、頬ずりしていたに違いないが、それもなしな私だった。

***

映画を観た後、自宅アパートに戻ってきて、コーヒーテーブルの上にある封筒が目に入った。
あっ!そうだ!ルームメイト氏が何か送って来たんだ。
開けようかなぁと思ったところに、友達から電話がかかって来た。
電話を掛けながら、開封することもできたが、「宗教の本」にすがる程、私はルームメイト氏のように
弱っていないのも事実で、「後でいいよね」と独り言を心で言って目の端に白い封筒が見えていたのだが、
見えない方向を見て友達と電話で話す。

コロンビア大学卒のジャーナリストが住むアパートのルーフトップでパーティーがあるから一緒に行かないというものだった。ジャーナリストは男であ〜る。それにストレートであ〜る。

二つ返事で、パーティーに行くことにした。
封筒を開けている場合ではない。
封筒を開けるのは二の次だ。

(つづく)