兄も妹も。欲張りなストレート・ガイの映画。

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予告編を観た時から『絶対ゲイ映画に違いない』と確信した映画を今夜、観に行った。
タイトルはBrideshead Revisited

観る前に下調べもした。
イギリスの作家、イーヴリン・ウォー原作で、格調高き吉田健一先生の翻訳で
『ブライヅヘッドふたたび』という邦題で出版されている。

予告編は、20世紀前半と思われる時代設定で、二人の白人男性が白い麻のきっちりしたスーツに、
きっちり七三に分けられている髪型の二人の白人男性が、一緒にボートに乗っていたり、
大きな木の根元に隣同士に座っていたり、二人で楽しそうに追いかけっこをしたりしている。
片方の男の妹も登場し、どうやら三角関係になるらしい。
舞台はイギリス。
ホモの本場、イギリスである。
イギリス紳士といえば、たしなみとして男とは致すものだと私にはしっかり刻まれている。
私的にはそんなに心はときめなかったが、『モーリス』を彷彿させる予告編であったのだ。


こういうシーンが登場するわけで、ゲイ映画って思わない人はいるだろうか?

***

どこまでゲイ映画なのか?
どの程度までゲイ映画なのか?
どこまでゲイ的なものを描写するのか?
つまり、本編は予告編の印象を裏切らないゲイ映画なのだろうか?に私の焦点はしぼられた訳だが、
観た結果、前半は良かったが、後半は非常に退屈であった。

というのは、映画の前半は緊張感が溢れているのだ。
オックスフォード大学で知り合う、貴族の息子セバスチャンと中流家庭出身と思われるチャールズ。
お決まりの設定だ。高学歴の男子校で、身分差だ。
二人は結ばれるの?どうなの?とワクワク、ドキドキの展開なのである。
貴族の息子セバスチャンがボトムで、チャールスがトップなのは明らか。
セバスチャンは超フェミニン。
歩き方も腰がなよなよしている。
オネエだ。

貴族の息子セバスチャンは自宅のお城にチャールズを招待する。
そう自宅はお城である。

お城に、彫像に、巨大な噴水に、ヨーロッパ式の庭園に、無駄の多い装飾に、大理石の階段に、召使いに、執事に、
舞台背景もゴージャスでゲイ映画(!?)にふさわしい。
男二人が裸で噴水の池で泳ぐシーンも登場し、さらに盛り上がる。

以下、ネタバレの記述あり。

直接的な肉体的な触れ合いは、二人がキスしたシーンだけだった。
後半は、チャールズとセバスチャンの妹との恋愛問題がストーリーのメインとなり、
退屈になってくる。
そうチャールズは兄セバスチャンとは結ばれず、妹の方に惹かれてしまうのである。
妹と愛するチャールズとのキスを目撃したセバスチャンは激しく動揺し、それから激しく酒に溺れ、
救い難いアル中になってしまうのだ。

バイリンガルの友達と観に行ったので、英語が分からない部分を教えてもらった。
ニューヨークに住んではいるが英語の道は厳しいのである。
英語も日本語も両方完璧とは素晴らしい才能である。

友達と観賞後、セバスチャンが妹とのキスを目撃しただけで、あんなに激しく落胆し、
アル中になってしまうのは、チャールズとセバスチャンはセックスをして恋人関係にあったからだという
共通の意見で落ち着いた。
原作も戦前に書かれたものだし、現代のようにホモセクシャルをあからさまに書けるはずもないから、
詳しい描写はないだけで、絶対に二人は関係があったはずだ。

バイリンガルの友達によれば、最後にセバスチャンのオックスフォード時代のゲイ友が最後に登場し
チャールズに対して「キミの飢えはセバスチャンでも妹でも満たされなかったようね」と言ったらしいのだ。

私もその『ハンガー=飢え』という言葉はキャッチしたが、全体の意味は把握できなかったのだが、
その台詞で二人の関係が決定的なものになったと思った。
チャールズは兄のセバスチャンとも妹ともセックスをしていた。
しかし、彼はもともとストレートなので、男とはセックスができても、心は妹に惹かれるのだ。
恋愛感情は女に向けられる。
ゲイが女性とセックスはできるが、心は男に惹かれると同じように・・・。

原作では貴族の倅セバスチャンが、教会の下働きをしているということで終わるらしい。
貴族一家はカトリック。
愛のもつれも宗教問題が絡みに絡んで、結局は愛よりも欲望よりも宗教を選ぶ、兄妹。
カトリックは離婚ができないし、聖書ではソドミー(肛門セックス)は罪である。
映画では描かれていないが、ゲイであることを罪と思っているセバスチャンが教会で下働きをしているのが、
まさに宗教の呪縛から逃げることを拒否して生きる、それを象徴しているように思えた。

ところで、オックスフォード大学生時代の貴族の倅セバスチャンとその取り巻きが、「いかにもゲイ」で
観客から笑いが出るくらいお姉の振る舞いだった。
私は嬉しかったが。

***

この映画の監督はジュリアン・ジャロルド。
KINKY BOOTSの監督である。
バイリンガルの友達がある記事を読んだらしく、教えてくれたのだが、原作ではセバスチャンとチャールズの同性愛的な表現はなく、原作のファンからは映画ではホモセクシャルを表現する描写ばかりと批判が出たらしい。
後半は削って前半のセバスチャンとチャールズのラブラブシーンだけでいいと思ったのだが、
それを批判する人もいるわけだ。
ところで、もしかして監督はゲイ?と思った私である。


エマ・トンプソン(上)が貴族のママ役で登場している。左がチャールズで、右が貴族のセバスチャン。あっ。忘れそうになったが、真ん中は妹であ〜る。

兄も妹も。欲張りなストレート・ガイの映画。」への4件のフィードバック

  1. Kinky Bootsは飛行機の移動中に見たのでしっかりとは見れなかったのですが、トランスセクシュアルの人がかっこいいブーツを流行らせるという、そんなストーリーだったかな。漠然とでしたが面白かったと思います。

    こちらは毎日豪雨で、ほぼ毎日ビーチサンダルで過ごしてます。そうだ、こちらもめぐたんに、残暑お見舞い申し上げます。

  2. momoたん

    KINKY BOOTS観てないんですが、面白かったですか?

    素敵なゲイマンとの出会い!羨ましいですね〜。
    楽しい時間を過ごしたんだろうなぁというのが伝わってきます。

    日本はお盆だったんですね〜。
    猛暑なので、夏バテに気を付けて!

    末筆ですが、残暑お見舞い申し上げます!

  3. お盆休み中です。
    あの絵はどう見てもゲイ映画でしょ〜。宗教絡みの解釈もめぐたんに賛成です。kinky boots観ました、あの作品に続いてて、原作からは少し逸脱したゲイ描写ならば監督はやはりゲイじゃないんでしょうか。

    先日バーで隣の席に座ったスリムでムキムキ、芸術の話やファッションの話も合うシンガポールで成功してる日本人の男性に会ったのですが、見事にゲイでした!私の連れの男性にはボディタッチをするのですが私にはしてくれない・・・。最後はカミングアウトしてくれましたがかっこよかったな〜。

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