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悪いことは回転寿司の皿の如く重なっていくの巻

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良いことは全く重ならないが、良くないこと、つまり悪い事はたくさん重なり、例えは貧相だが、
回転寿司のお皿のようにドンドン重なっていく。

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婦人科医をまた訪ねた。
超音波で私の筋腫がどれくらいの大きさなのかを検査するためだ。
検査技師(女性)に「コレは大きいわね〜」と言われ、考える間もなく、泣いてしまった。

女医さんは検査の結果を見ながらこう診断した。
「あなたの子宮の状況は妊娠することに逆らっているわね。筋腫も大きし、内膜症も発症しているし、年齢もね〜」

「うっ、はぁーーっ、うっああああ〜〜」

文字通り、泣き崩れてしまった。
さらにルームメイト氏の顔が浮かんで胸が苦しくなる。

「あなたがとっても子供を欲しがっているのは分かるわ。残念ながら私にはこれ以上何もできないから、一日も早く体外受精の専門医にアドバイスをもらってね。筋腫がある場合、何の影響もないのなら手術はしなくてもいいのだけど、専門医は赤ちゃんが育たないから手術すると思うわ。成功して妊娠したら、このクリニックに戻ってきて。私が診るから」と女医さんも涙を浮かべながら言ってくれた。

人前で泣くのはみっともない。
だから、サングラスを掛ける。
涙が溢れて来ても誰も気がつかない。
観光客と思われるファッショナブルなヨーロッパ人が歩いている。

ルームメイト氏で電話をしようかと思ったが、こんな精神状態で話をしても向こうが困るだけ。
ケータイ電話を握りしめ、掛けたい気持ちを押さえる。
落ち着いたら電話しよう、落ち着いたら電話しようと何度も言い聞かせる。

***

ニューヨークにあるもうひとつの大学付属の体外受精のセンターに早速電話を掛ける。
体外受精を専門しているコーディネーターと話す。
私の体の状況を話す。
「子宮内膜症の専門医を紹介します。それに年齢はまだ若いです。心配ないわ。私たちのサイトを見てくれた? 
成功率が載っているので見てみて」
「成功率は統計であって、個人差はあるんですよね?」
「それはありますよ。心配しないで診察を受けてみてください。ところで、母国語は何?」
「日本人です。日本語です」
「そう。私たちの医師には韓国人と中国人がいますが、残念ながら日本人はいないわ〜」

体のことに関して母国語である日本語の方が理解できるので安心だが、日本人の医師もアシスタントもいないのなら、
英語で頑張るしかない。

「医学用語は難しいけど理解できると思います」
「この会話でも大丈夫なのは分かるわ」とコーディネーターに言われてほっとする。

分からないことがあったら、そのままにしないで鬱陶しがられても、「エクスキューズ・ミー(すみません)」と
言って同じを質問を私が理解するまで繰り返す、という精神でいかなければならない。
もちろん、ルームメイト氏が一緒にいてくれたらと思う。
医師の説明を後で簡単な英語で説明してもらうことも可能だから。でも、彼はいない。

コーディネーターと話をして前向きになる。
最初の診察は保険が適用されると聞いて安心する。

餅屋は餅屋ということだろう。
健康な妊婦を専門にしているクリニックなので、病気で悩む女性に関して不得意だったと思われる。
さっき、泣きながら電話をしないで良かったと思った。

ところで、独身女性でも体外受精ができるが、日本はどうなのだろう?

***

ルームメイト氏に2通のテキストを送る。
1通目は「妊娠に反している子宮の状態だと言われたこと」
2通目は「でも、妊娠の希望があること」

その夜、電話が掛かって来た。
「大変ね〜。スウィティー」
「でも、私、諦めないからね〜。私たちのベイビーが授かると信じて・・・」
「遠いけど、私の側にいるみたい」
「今、何て言ったの?」と確かめたくなった。

「アナタが私の側にいるみたい・・・」と再度、言ってくれたが、もう一度聞きたくて
「エクスキューズ・ミー(もう一回言ってください)」と言ってみた。
すると、今度はゆっくり、

「ア・ナ・タ・が・側・に・い・る・み・た・い・だ・わ」
「きゃぁ〜、きゃぁ〜。いつも、いつも、ルームメイト氏のことを考えているから・・・」
「あら、ジャスティンのことは?」
「ジャスティンもだけど・・・」

その後、30分話をした。
その内容はルームメイト氏のセックスライフについてである。
私もルームメイト氏に負けないくらい、こうるさく口を酸っぱくして言った。
「セックスしてもいいけど、病気は絶対もらってこないでね。セーフ・セックス!セーフ・セックス!
健康な精子を産出してね!」

電話を切る間際に「ルームメイト氏、I LOVE YOU」と言った。
いつも私から先に「I LOVE YOU」と言うと、ルームメイト氏は「うふふふ〜」と笑う。

***

「おはよう」のテキストも今まで通り再開された。
引っ越しが済んでルームメイト氏の生活が落ち着いた証拠だ。

専門医の予約も済ませ、LAに行く前に今後の治療方針も判明するかもしれない。
明るい未来が、ルームメイト氏が父となり私が母となる家族計画が実現するかもしれないと
希望に胸に膨らませていた。

太陽の光がキラキラして、スモッグのマンハッタンの空がエメラルドに見えて、幸せな気分に浸っている時に、
女医さんから電話があった。
「先日、検査の結果、子宮ガンの疑いがあるので再検査します」。

良いことは全く重ならないが、良くないこと、つまり悪い事はたくさん重なり、例えは貧相だが、
回転寿司のお皿のようにドンドン重なっていく。

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