『おじさまの涙』と『強制収容所』と『藝術』と。 The Cats of Mirikitaniを観て。

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ドキュメンタリー映画、The Cats of Mirikitaniをシネマ・ヴィレッジで観て来た。
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Cinema Village。 12th Street bet.University Place and 6th Ave.

6th アベニューとハウストン・ストリートの近くのデリにいるホームレスは画家。
雨の日も雪の日も絵を描く。
2001年当時、80歳。
画家の名前は、ジミー・三力谷氏。
カリフォルニアのサクラメント生まれの日系人で三歳の時に日本に帰国したいわいる帰米二世。
しかし、18歳の時にアメリカに帰国。
三力谷氏の英語は完璧ではない。時制もめちゃくちゃだ。
太平洋戦争が始まり、3年間半、Tule Lakeの強制収容所に入れられた。
そしてアメリカ政府から強制的にアメリカの市民権を剥奪されてしまった。
国籍がないままに、ニューヨークへ。
そして2001年9月。911のテロが発生し……。

……後は、本編をご覧くださぁ〜い。
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The Cats of Mirikitaniのポスター。描く猫がかわいい。仙人みたい!?

映画館は50人収容程度の小さなシアターだった。
日本人かと思われるスーツ姿のおじさまが4人、一緒になって鑑賞されていた。
会話を聞くと、英語にアクセントがない。亜米利加人つまりジャパニーズ・アメリカン、日系人だと思われる。
映画が終わり、おじさまの一人が眼鏡を額の方に上げて、涙をしばらく拭っていた。
私も泣かずにはいられなかったが、おじさまの涙を見て更に涙が出て来た。
それにしても、男の涙を見るのは切ない。

歴史の教科書にも載っていたかなぁと思い出せないほど、日系人の強制収容所は私にとっては無関係の史実であった。
しかし、画家ジミー・三力谷氏の話を聞くと、身近な事件に思えて、胸がつぶれる思いがした。
同じ祖国を持つ者として、同じく亜米利加に住む者として、堪え難い屈辱に思えたからだ。
過酷な生活を強いられた上に、パスポートも市民権も取り上げられた。

911の時に日系アメリカ人に対してしたこと(強制収容所)をイスラム系のアメリカ人へしないように、
亜米利加は同じ過ちを二度と犯さないようにしよう!という多くの声が叫ばれたのは記憶に新しい。

ドキュメンタリーの亜米利加人の監督(女性)は、彼のために尽力したことを付け加えておく。
素晴らしい女性だ。私には到底真似できない。
詳細は本編を観てください。

ところで、なぜこのドキュメンタリーを観ようと思ったか?
お世話になっているある会社に、ジミー・三力谷氏の日本画か飾られていて、
時々彼が訪ねて来るという話を聞いていたからだ。
それに、去年、トライベッカ・フィルム・フェスティバルで観客賞を受賞したという話も伺っていた。
日本画は、彼の母の故郷、広島で学んだという。

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これがある会社に飾られているジミー・三力谷氏作の日本画。虎である。

女一人、異国、独身、家族なしの私。
ホームレスの画家ジミー・三力谷氏の姿を見て、身につまされた。
最近、友達に「老後はどうするの?このままじゃヤバいよ」と言われたばっかり。
「余計なお世話じゃい。老後を考えたら、書いたり、撮ったりできない」
と啖呵を切った。強気のまま白馬に乗った王子(GO-GOボーイ)の出現をいつまでも待とうと思う。

『おじさまの涙』と『強制収容所』と『藝術』と。 The Cats of Mirikitaniを観て。」への8件のフィードバック

  1. あんさま、はじめまして!

    書き込みありがとうございます。

    あんさんのブログを拝見しました。
    素敵な絵ですね。

    日本人として辛く悲しい史実に直面しますが、前向きに元気になれる映画でした。

  2. 初めまして。
    私も、この映画を観てきました。
    割と軽い気持ちで”絵と猫”が好きだから、という理由で。もう、知らない事ばかりで…。
    思ってたのと違うけど、いい映画でした。

  3. スヌーピーさま

    はい、元気です!
    お久しぶりの書き込み、ありがとうございます!

    よく見つけられましたね。
    その会社で勤めている方のお犬さまの切り抜き写真です!
    心霊写真ではありません(笑)。

  4. MKさま

    T先生は、トライベッカ・フィルム・フェスティヴァルの上映の時に三力谷さんから直々に招待状を受け取ったようでして、観に行っておられました。
    最初に日本画の虎の絵を知っていたので、この絵の方だったんだと
    感慨深いものがありました。
    MKさんは三力谷さんにお会いしたことがあるんですよね?

  5. お久しぶりです。恵さんお元気ですか?

    私もこの映画にとても興味があります。
    まだ見ていないのに少し緊張します。
    虎の絵の下に移っているのは何ですか?
    鳥?リス?猫ですか?

  6. 恵さん

    私はまだこの映画を見ていませんが、あの三力谷さんが、ご無沙汰している間にドキュメンタリーの主人公になっていらしたのでびっくりしました〜。今も、T先生に会いにいらっしゃるのでしょうか。T先生はこの映画をもちろん見に行かれたでしょうね。

  7. 凄い興味があります。
    日本で観られる(レンタル出来る)のなら、チェックしておこうと思います。

    菊楽さんの作品紹介は、とても魅力的な物ばかりなので、いつも楽しみなのです♪
    (文章を読んでいると、引き込まれてしまいます!)
    これからも色々な作品を紹介して下さいね~(⌒о⌒)

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