「大好き!」が救いだった。

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 話は先週にさかのぼる。
 デヴィッド(『挿入はいらない!抱きしめるだけでいい』の詩を気にってくれて、元彼女に会いに行き、元彼女の彼から年間1時間ならデヴィッドを抱きしめていいという許可をもらった男)が当アパートに訪ねてきた。これから家族に会いにペンシルヴァニアに帰るので、しばらくは会えませんとわざわざ言いに来てくれたのだった。
 ♫チュールールールールール♫ ウィンナーワルツの携帯電話の呼び出し音が鳴った。
 
 デヴィッドは、画面を見ただけで携帯を開こうとしなかった。
 「誰から?」と私が聞く前にデヴィッド自ら語った。デヴィッドに電話をしてきたのは、彼の元同僚のドイツ人の女性。
 彼女は、ドイツに帰国することが決まっていて、1ヶ月前に送別会を兼ねて二人でバーで飲んでその後セックスをしたそうだ。
 ドイツ人女性イエナ(仮名)は、その後、何度も、何度も電話を掛けて来ては、ドイツに帰国する前に一目でもいいから会いたいと迫っているという。彼女はクリスマスの前にドイツに帰るという。

 デヴィッドはイエナのことは嫌いではないし、セックスもしたし、むしろ大好きなのだが、彼女がドイツに帰ってしまうので、また会って更に好きになったら面倒だし、今は女性を好きになることよりも仕事に集中したいので、一晩限りのことと割り切っている。つらいけど彼女の電話は取らないし、会わないと言っていた。

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今夜12月26日のセント・マークス@3rd Ave. 閑散としていた。

 3ヶ月前、私はまさにイエナの立場だった。
 私はイエナそのものだった。
 しかし、私の場合は、セックスどころか、キスもしていないし、手も握ってはもらえなかったが、大好きな片思いのダ〜リンが帰国してしまう前に一目でいいから会いたかった。だから、電話もしたし、メールもいっぱいした。さよならのデートプランを絵巻物のような長い長いメールにしたためて送った。彼が帰国してしまってからのことは一切、考えていなかった。
 ただただ一目だけ会いたかったのだ。もし、それ以上のことがあったら嬉しかったには違いないが、会えるだけで満足だった。彼は喜んで会ってくれると当然思っていた。しかし、メールの返事はなく、二人で会うことはなかった。
 
 私は、デヴィッドの言葉の一句一句が、片思いのダ〜リンが言っているように聞こえた。
 例え、私たちはセックスしていなくても、きっと片思いのダ〜リンは私のことを好きだったのだ。
でも未来を考えると遠距離は面倒だし、他に集中したいことがあったのだろう。
障害を乗り切れるほど好き合うには時間がなかったのだと思う。

デヴィッドが言った「大好き」が救いだった。
 不覚にも泣いてしまった。
 
 片思いのダ〜リンはやっぱり私のことが大嫌いだったかもしれない。でも、彼は私のことが好きだった!
と、思わせて欲しい。それくらいはクリスマス・プレゼントとして許されるだろう。

 国も人種も超えて、女性というものは「会いたい」と思ったら、恋愛至上主義になり男を追いかける。
一方、男性は国も人種も超えて、未来を考えて愛することを自粛する —– ということだろうか?
 男性が未来を考えて、自粛しない場合はどういう女性なのだろうか?

 それにしても、元彼女に会いに行って抱き締めてもらったり、いつの間にかセックスしていたり、
デヴィッドは見かけによらず(失礼!)プレイボーイなのに驚いた。やっぱり男はわからん!

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男の人もきっと無我夢中でアタックしてくる女性の気持ちがわからないのかもね。